アンタとオレの関係
文化祭の出し物は……?
期末テストが返却されると、今度は息つく暇もなく文化祭の出し物決め。
この学校では、クラスごとの出し物の他に、クラス学年問わずに人数さえ集まれば別の出し物ができる。
もちろん部活や委員会もこの枠に入り、基本的には生徒1人につき2つのグループに属すことになる。
んで。
今日決めるのは、クラスの出し物の方。
既に黒板には、いくつか候補が出ている…………んだけど。
『ねぇねぇ健ちゃん』
「ん?」
『[メイド喫茶]とか[ホストクラブ]とか見えるのは気のせいかな?』
「残念ながら気のせいじゃないな」
『俺お化け屋敷がいい……』
「作るの大変だぞ?」
『んじゃあ焼きそば屋さん』
「…………絶対つまみ食いするだろお前」
『…………世の中で何よりもおいしいものは、空腹時にするつまみ食いなんだぞ』
「いばんなアホ遼」
『……健ちゃん優しくない』
「十分優しいだろーが」
『健ちゃんの鬼』
「はいはい」
『悪魔』
「……は行き過ぎだな」
『あーぁ。和巴ちゃんや蒼太みたいな小動物に癒されたい……』
「「それだ!!」」
「『………はい?』」
俺と健ちゃんの会話に割って入ってきたのは、話し合いの中心にいた文化祭委員2人。
って、この2人は俺の発言の何に反応したんだ?
わからずに首を傾げれば。
「いやぁ、ナイスだよ佐倉くん! みんなメイド喫茶やりたいだのホストクラブやりたいだの勝手なこと言ってて、しかもうちの学園じゃここに出てるのはありきたりだから勝てないねって話してたんだ!!」
『……で?』
「飲食店をやろうってところまで話は進んだんだけれど、やっぱり勝ちにいくためにはまだ何かが足りなかったんだ」
『勝つ……?』
「インパクトを求めるなら、変わりダネは必要だよね? 飲食物で変わりダネだそうにも、この学園の奴らは大抵のものは食べてきちゃってるわけ」
ああお坊ちゃん学園だもんね。
「となると、変わりダネは別のところに求めなきゃならず、結局話し合いは行き詰まった。そこに佐倉くんの一声だよ!」
『癒されたい?』
「もうちょい!」
『小動物に癒されたい?』
「そう! ソレ!!」
『え、まだ結びつかないんだけど……』
俺がそう言うと、文化祭委員の片方が勢いよく、黒板に文字を書き出した。
[アニマル喫茶]
ま じ で ! ! ?
◆◇
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