アンタとオレの関係
暗躍する者たち
鳴り響くコール音。
薄暗いその部屋の主は気だるそうにベッドから起き上がり、無機質なそれを手にした。
彼が今起きあがったベッドでは、彼より体格の良い男が、一糸纏わぬ姿で寝息をたてている。
ピッ
「ん……な、に?」
《うまくいったみたいだね》
「ああ、僕は言われたように行動しただけだよ?」
《新聞部があそこまで大騒ぎしてくれて、僕としてはおおいに満足だ》
「うん。満足なのはわかったから。約束した口座に入金よろしく」
《もちろんだよ。明後日までには振り込んでおくから》
「まいどー。………しっかし、アンタも人が悪いね」
《そう? 僕はこの際だからはっきりさせようと思っただけだよ。……タチかネコかもわからないくせに、夾さまとずっと一緒にいるなんて許せない》
「まぁ、僕的にはどうでもいい話なんだけどね」
《梅原くんには、まだしばらく動いてもらうから。佐倉遼にモーションかけまくっちゃって!》
「はいはい」
《それと………》
「?」
《明日は予定、入ってる?》
「明日は……入ってるなぁ」
《っ! じゃあ明後日は?》
「明後日なら大丈夫」
《そっちの部屋でいい?》
「うん。22:00に来てくれればいいから」
《うん》
「何回くらいが希望?」
《た、くさん。夾さまがかまってくれなくなってから、なかなか難しいんだよね》
「それなら、5万ね」
《ん、わかった》
「いつも通り、【俺】がタチ?」
《う、ん》
「りょーかい。それじゃ」
《おやすみ》
ピッ
通話を終えた彼は、何やら思い出しているようだ。
「ホント……彼はいい匂いだったな…。この際、本気でオとすのもアリかな」
そう一人呟いてから、今度は思案顔になる。
そうしてしばらく考え込んでいた彼を、先ほどまで寝ていた男が後ろから抱きしめた。
「ん……どしたの?」
「足りない。もう一回ヤらせろよ」
「追加料金1万貰うけど?」
「かまわない」
「それなら………どうぞ?」
そう言って、彼は足を広げ、男の手を自分の股間に導いた。
夜の帳が降りて久しい時間帯。
それでも、彼らの夜はまだまだ続くようだった。
◆◇
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