COLORFAST DAYS
事件はいつも突然に
休日は知らぬ間に過ぎ、訪れた月曜日に溜め息が出る。君と顔を合わせるのが楽しみだったのに、今となっては辛い。

加えて月曜日は、人間にとって一番疲れを感じる日らしい。俺は二重の憂鬱を抱えて登校する羽目になった。





──午前の授業が終わり、昼休みになった教室は少しだけ賑わっていた。響が1組からやってくると、俺達はいつものように昼食を共にしようと机をくっつける作業を開始した。










……その時だった。突然ガラッ!とドアが開き、何故か父さんが現れた。女子はキャーキャーと叫び、男子は目が点になっている。俺は目を見開いたまま固まっていた。










「紫温!今から俺と一緒に来い!!涼が倒れた!!」

「……え…?」





血相を変えて叫んでいる父親の言葉が理解出来ない。ざわざわする教室内で、俺は一人異空間に居る気分になっていた。





「……紫温何してんだよ!!早く先生と一緒に行けっ!!」

響の言葉でやっと我に返った。荷物を片付けようとするが、手が震えてどうにもならない。





「紫温、荷物は置いて行きなさいよ。それから響は紫温に付き添ってあげて。この様子じゃあんたが居ないとダメみたいだから。授業は私とレオがノート貸すから心配しないで?」

茉莉が冷静な口調で言い、響は「分かった!」と答えた。俺がそれでも尚躊躇っていると、茉莉は痺れを切らしたように叫んだ。










「早く行きなさいよ!遅すぎ!!先生が待ちくたびれてるでしょ!?」



その言葉で俺は、植物の種が弾け飛ぶように走り出した。父さんは俺の手を掴んでこっちだと誘導し、その後ろに響が続いた。

父さんの車に乗り込むと、俺達は母さんの居る病院へと向かった。







[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!