COLORFAST DAYS
不安を抱えて
……車の中のことはよく覚えていない。唯一覚えていたことと言えば、渋滞に苛々していた父さんの舌打ちだけだった。

そして最も頭に残っていたのは、教室で見たレオの驚いたような顔だった。










「──母さん、大丈夫かな…」

「大丈夫だよ、きっと!だから落ち着け!!……な?」



父さんが医者の説明を受けている間、俺と響は待合室の椅子に座って待機していた。響が居てくれなければ、俺は廊下を行ったり来たりする怪しい人になっていたことだろう。響に付き添えと言ってくれた茉莉には、本当に感謝した。





「それにしても、早川先生遅いなぁ…」

響はそう言って立ち上がるとスタスタと歩いて、父さんと医者が入って行った部屋のドアを少しだけスライドさせた。気になったので、俺も響の上から中を覗き込んだ。















……俺は自分の目を疑ってしまった。だって中では、二人が楽しそうに談笑していたのだから。







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