PURPLE DAYS

 薄紅色の花が咲いた並木道を抜けたら、そこが二人の分かれ道。まだ見慣れないグレーのスーツと白いシャツ、暖色系の大きな花柄の白い膝丈スカートを着た涼が、ゆっくりと視線を合せてくる。



「……じゃあ、ここでお別れだね。」

「ん。電車、気を付けろよ?痴漢に遭ったら絶対周りに助けてもらえ。」

「はいはい……朱希は心配性だなぁ。」



 涼はそう言って、クスクス笑う。俺にとっては笑い事なんかじゃない。本当は毎朝車で送っていきたいところだが、出社時間も退社時間も違うと不便だからと、涼が『帰りは迎えにきてもらえると嬉しいけど、行きは電車にするね。交通費も出るみたいだし』と提案したのだ。心配だけど、あれこれ口を出しすぎるのは好きじゃない。何も起こらないことを祈るしかないのだ。



「じゃあな。」

「うん。なるべく早く帰るからね!終わったらすぐ連絡するし。」

「おう。飲み会楽しんでこいよ。」



 片手を振り合いながら、それぞれの職場へ向かう。青い空からは、太陽が柔らかな日差しで俺達を照らしていた。


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あきゅろす。
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