PURPLE DAYS

 あたし達は今、22歳。二人共大学を卒業し、社会人一年目だ。あたしはとある通訳会社で働くことになり、初めての女だらけの環境にもやっと慣れてきた。男の人も居るから朱希の機嫌が悪くなったりするんだけど、それは仕方ないと思うことにした。

 朱希は教員採用試験を受けて、何故だか知らないけど一発合格した。この春から、私達の母校である高校の数学教師として働いている。



「朱希ー、ご飯食べ終わった?」

「おう。食器洗っといたからな。」



 気が付くと朱希は既に着替えていて、出かける準備が整っていた。その早さを起床にも活かしてはいかがだろうか。そう言いたかったけど、あえて黙っておく。



「……ありがとう。」



 そう告げると、笑顔を返してくれる朱希。こういう優しいところもあるから、きっとあまり嫌味なことをこいつに言えないんだろう。そんな気がする。


[*←前][次→#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!