PURPLE DAYS
6
あたし達は今、22歳。二人共大学を卒業し、社会人一年目だ。あたしはとある通訳会社で働くことになり、初めての女だらけの環境にもやっと慣れてきた。男の人も居るから朱希の機嫌が悪くなったりするんだけど、それは仕方ないと思うことにした。
朱希は教員採用試験を受けて、何故だか知らないけど一発合格した。この春から、私達の母校である高校の数学教師として働いている。
「朱希ー、ご飯食べ終わった?」
「おう。食器洗っといたからな。」
気が付くと朱希は既に着替えていて、出かける準備が整っていた。その早さを起床にも活かしてはいかがだろうか。そう言いたかったけど、あえて黙っておく。
「……ありがとう。」
そう告げると、笑顔を返してくれる朱希。こういう優しいところもあるから、きっとあまり嫌味なことをこいつに言えないんだろう。そんな気がする。
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