夢を見る少女は
[赤司/夢主] バレンタインデー赤司ver 「チョコの日」
今日は女性が愛する男性へチョコレートを渡す行事があるらしい。僕も涼太程ではないが何十人かの女子に貰った。透明な袋から見えるお菓子はどれもチョコレート、あるいはココアを使ったお菓子が入ってあった。
「似たような物ばかりだな」
部活が終わり、帰り道。僕は貰ったお菓子を眺めていた。食べながら帰っている敦や大輝、涼太に真太郎と注意しながら帰っていた。
「黄瀬ちーん。食べないならちょうだーい?」
「ちょっと紫原っち!落ちるっス!」
そんな会話を聞きながらいつもと変わらない帰り道。...のはずだった。
『赤司君ですよね?』
「あぁ」
『良かった、間に合って。良かったらこれ貰ってくれませんか?』
「すまないな、ありがとう」
表向きの仮面を貼り付けニッコリ笑い彼女が差し出した箱を受け取った。僕が箱を受け取ると同時に離れていった彼女の手。しばらく箱を見ていた僕が再び彼女を見た時は、目が合い不覚にも心臓が早鐘を打った。
「赤司君さっすがー。勇花先輩に貰えて良かったね?あの人、ウチの中学でもかなりの有名人よ」
------必要な人にしか関わりを持たないって
桃井の言葉を聞き、そう言えば聞いた事はあるな...思い出した。成績優秀、運動神経抜群なそれであって品のある完璧な先輩がいるっと言う話を聞いたことがある確か生徒会長でもある人だったな。
「何が入ってるんスか?」
「赤司、俺も気になるのだよ。今日の俺のラッキーアイテムは気になることは確認する事なのだよ」
「中身見せてー」
「仕方がないな」
一度みんなで立ち止まり(もちろん周りに迷惑を掛けない所で)箱を開けてみた。ほかの女子とは明らかに見た目も中身も違うそれはとても綺麗だった。
「和菓子...ですか」
「そのようだね」
バレンタインにはチョコレートやココアを使うのであろう?何で和菓子なんか...
「取り敢えずもう食べるのないから貰うねー」
「「あっ」」
「んー。中々うまいぞぉー。...あれっ中にチョコが入ってるや。おもしろーい」
敦の言う通り大福のように見えた和菓子の中からはとろりと液状のチョコレートが入っていた。
「考えましたね、勇花先輩」
名前しか知らない親しくない彼女がくれた贈り物。家に帰りふっと箱の裏を見ると封筒が貼ってあった。
ーーーー
赤司征十郎君へ
ーーー
いきなりで驚いたでしょう?
今日はバレンタイン、想いを伝える日。
この間は生徒会室までプリントを運んでくれてありがとう。
赤司君ならいつでも歓迎しますよ?
また今度遊びに来て下さいね。
ーーー
勇花
ーーーー
僕が君に惹かれたのはいつからだろう。
でも、少なくてもこの手紙を見て僕が思った事がある。勇花先輩、バレンタインは感謝を伝える日じゃない。
「今度は彼女の口から想いを伝えてもらおう」
もちろん、その時は
『好きと言う想い』
ちゃんと伝えられたかな?
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