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「わぁ!猫だよグリムジョー!」

「あ?それがどうした」

見ると猫がダンボールの中でにゃぁにゃぁ五月蝿く鳴いていた。青がかったその猫は幼く、彼女はそれに興味をしめし抱いた。

「可愛い!」

「そうか?」

「そうだよ」

彼女はその人懐っこい猫と戯れる。

「さっさと帰るぞ?」

「えー、この猫グリムジョーに似てるのに」

「似てる!?こんなちっこいひ弱そうな猫とこの俺が!?」

「うん」

彼女は笑顔でそう言った。

「そうか?」

「うん、とっても」

「俺豹だぞ?」

「あ、そうだっけ?」

彼女は猫をダンボールの中に哀しそうに入れなおした。

「じゃあ良い人に見つけてもらいなよ?」

彼女は猫にそう言う。猫は猫でにゃぁと返事をした。

「帰るか」

「うん」

彼女と俺は闇に足を踏み入れた。

俺によく似ているらしい猫を光のそこに残して。

ダンボールの中のそれ/明るいとこと暗いとこ@薄雲

20110512


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