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「…神田、無理すんなよ?」
「…………むりしてない」
両方に大きな本を数冊抱えたリーバーと頭の上に手では抱えきれない大きさの本を乗せた神田は資料室までの道のりを歩いていた
「わざわざ手伝いしなくてもいいのに…」
資料室に行く途中たまたま廊下で神田と出会い、リーバーの抱えている本を見た神田は持っていくのを手伝うと言い始め、言ったらやらないと気がすまない神田の性格を知っているリーバーは仕方なく自分の持っていた本を数冊渡したのだが…
「やっぱり重いんだろ?」
リーバーの半分ぐらいしかない身長の神田には分厚い本を1、2冊持つだけでもせいいっぱいなのだ。
しかし当の神田本人は重くないと意地を張る
(にしても神田から手伝うなんて珍しいなあ。いつもならラビとずっと一緒に鍛錬したり遊んだりしてるはずじゃ…)
「今日はラビと一緒じゃないのか?」
「………………らび、どこにもいない。へやいってもいなかった」
神田はぷいっと顔をそむけてポツリと言った
「らびがいなきゃたんれんしてもつまらない…」
(…こりゃあかなりのラビゾッコンだな。ま、それはラビも同じか)
神田がラビ以外の人と一緒にいるなんてほとんど見ない
(神田はラビにぐらいにしか笑顔も見せねえしな…)
リーバーはちょっと機嫌の悪い神田を見て苦笑いした。
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