A
資料室に着いた時には神田はヘトヘトだった
「だから無理すんな、って言っただろ?」
「ハァ…ハァ、む、むりなんかしてない」
少しは素直になりゃあいいのに、と神田には聞こえないようにぼそっと言った
「じゃあその本はこっちに置いてくれ」
「ん…わかった。………………あっ」
持っていた本を机の上にあげようと背伸びをした神田は机越しに何かを見たのか声をあげた
「………?(何見てんだ?)」
神田の目線と追うと窓際には本の細かい文字に指を当てながらじーっと片目で文字を追っているラビがいた
「ラビだ……」
いち早く気づいた神田は本をドサッと置くとラビのところにとてとてと走っていった
「ラビ!」
「お、おい神田…」
リーバーの呼びかけを聞かず神田はラビに向かって話しかけた
(本を読んでる時のラビは集中しすぎて周りの声が聞こえないから神田のことに気がつかないだろうな「あ、ユウ!」
あれ…?)
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