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物書き
ずっと、気にかけてる。(シンフォニア)
「ローイドく〜ん。
なにしてるの〜?」
「人形彫ってるんだ。ほら、これからどんどん戦いも
厳しくなってくる。だからみんなを守ってくれるように、
ってみんなの彫ってるんだ。」
「豆だね〜ロイド。」
ロイドが手を止めた。
「・・・みんなに死んで欲しくないんだ。
ゼロスにも。クラトスにも。」
「・・・・」
「どうしたんだ?」
ホントに鈍いんだなぁ。
「いや・・・別に?」
「そうか」
ロイドが再び手を動かし始めた。

数日後―ロイドが作っていた人形をくれた。
ホントは他の人たちにあげてほしくなかったんだけど
そこは鈍感なロイドだからしかたない。
クラトスは、ロイドからもらった人形をじっと
みつめていた。
自分にそっくりな、まるで生き写しといわんばかりの人形を。

冷たい、暗くて深い水底からみつめているような眼差し。
何を考えているかわからない表情。
すべてがその通りだった。

クラトスがロイドに話しかけた。
「・・・これをお前がつくったのか。」
「あぁ。なかなか良く出来てるだろ??
がんばってみんなのこと観察したりしてさ。
へへっ。特にクラトスの!結構自信作なんだぜ。」
・・・前話したときより、ずっと楽しそうに、
ずっと嬉しそうに話してる。
クラトスに向かって。
「なかなか良く出来ている。」
ロイドが嬉しそうだ。
ぎゅっと、自分の人形を握りしめる。

クラトスに向かって話しかける。
ちょうど、2人っきりの時に。
「ロイドの事どうおもってる??」
「別になんとも。そういうお前はどうなんだ?
ロイドに惚れでもしたというのか?
世間一般が聞いてあきれるな。
世界を背負っている者たちの一人に、そのような考えのものが
いるなどと。」
「なっ・・・ただ俺様はロイドくんが心配なだけで・・・」
「図星か?」
「そういうあんたはどうだよ!ロイドくんのこと
嗅ぎ回すふうにしてさ。」
「仲間の身を案じてなにが悪い?
余計な感情を抱くよりましだろう。
・・・ロイドには神子という相手がいる。お前が
その想いを押し付けた所で迷惑になるだけだ。
少しは考えろ。」

・・・確かにロイドくんにとっての邪魔者だ。
けど・・・けど・・・・・・。
そんなことを考えていたら、いつの間にか眠っていた。
起された時には、もうみんな起きていた―
「ほら、起きろって。」
「あれ・・・?もう・・・朝・・・?」
「ほら、行くぞ!!」
手を引っ張ってくれる。

そうか、求めていたものは、愛情でもなく、
ロイドを愛していた訳でもなく、ただ、ただ・・・


こうやっていられる仲間が欲しかった・・・・・・・・!







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あきゅろす。
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