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すぅ、と息を吐く。
会長の身体が震えたのがわかった。
「会長。.....ちゃんと聞いてほしい。俺のこと。俺は家のこととは全然関係なくて」
「......じゃあなんでだ。」
「ぇ」
「なんで俺にりっ、リンゴもってきたっ。なんで俺を手伝った! なんで俺を、」
手が離れる。体温が遠のいた。
ーー探しにきたんだっ。
その声があまりに悲痛で。
視線を下に下げる。
「っ、」
言葉に詰まる。
俺が今まで会長にしてきたことは、所詮自己満足で。そう分かってはいたけど止められなくて。
迷惑だったのかもしれない。
いきなりお見舞いに行ったり、強引に生徒会室に押しかけたり。
俺は会長のなんでもなくて。
「............。」
だけど。俺は、
口が渇く。
心臓がどきどきと音をたてた。
指先は冷たくなって、たまらず服を強く握る。
つま先はもう見ていられない。思いきって顔を上げる。
さっきよりほんの少し離れた場所で、濡れた瞳が俺を見る。
「会長。」
俺は、
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