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「会長。」

「............っぁ!」




震える腕を後ろから捕まえる。


驚いたようにこちらを向いた会長の背中に手を回して、そのまま強く引き寄せた。



「は? ちょっ、おいっ!」



暴れる会長の顔を肩において、強く抱きしめる。
会長の体温がぴたりと俺にくっついて、頬があつい。

身体の至るところから熱が上がってくるみたいに。


こんな時でなかったら、俺にこんな真似できないだろう。会長、俺より確実に力強いし。



「さく、らばっ!」



すぐ傍から戸惑ったような声が聞こえて、腕の力を強くする。きっと会長は嫌だろうけど、すぐに済むから待ってほしい。



俺の気持ちを誤解してほしくないという、俺のわがままをきいてほしい。





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