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「桜庭......。」



驚いたように目を見開いて、息を整え、ゆっくりとこちらへ近づいてくる会長に、シーツから身体を起こす。その、少し歪んだその表情に自然と腕を伸ばしていた。いろいろぐちゃぐちゃな頭のなかで、


あぁ、会長に触れたい。


ただそう思ってーーーー、





「おい、貴様。誰の許可があってここへ入ってきたんだ。さっさと出ろ。」





それは、冬至の右腕に邪魔された。



「ちょっ、冬至っ!」

「一体なんだ。静かにしてろ。」



だって、会長にあんな言い方。



「会長! ごめ、」

「調子はどうだ。」

「へ? あ、うん。全然大丈夫。もうぴんぴん。」


腕で力こぶを作って、笑顔で答える。

会長、転校生から聞いて走ってきてくれたんだろうけど、すごく申し訳ない。


俺は本当に大丈夫だし、会長だって忙しいはずなのに。




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