8 あー、カッコ悪い。 そう思うけれどやめられない。 まだ会長が、あの転校生と付き合ってはいないからだろうか。 まだ会長が、誰のものにもなっていないからだろうか。 あの転校生のことが好きな会長に、まだほんの少しの期待をしてしまっているからだろうか。 「......忘れてないよ。」 たぶんどれも違って、どれも合っている。 「あー、じゃあ俺もう帰るので。会長、またね。」 「は? ちょっ、まてっ! てめ!」 怒鳴りながら、凄い勢いでこっちへ向かってくる愛先輩に急いでドアを開ける。 身体を廊下を出して、聞こえた声。 ドアを閉める隙間から聞こえた会長の声に、もう追ってくることはないだろうと勝手に思う。 [*前へ][次へ#] [戻る] |