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あえて、そこから目をそらしてカップに口をつける。

席に戻って小さく。小さく息を吐き出した。


「桜庭。」

「ん?」


名前を呼ばれて、ふりむく。やはりついさっきのは幻だったのか、自然とそこに視線が移る。


「お前、なんでここにいんだ。」

「え? なんでって。......なんでだろう。」

「てめぇ、」

「あーっ、うそうそ。会長のお手伝いだよ。お手伝い。風紀も結構暇だからさ。会長に会いにきてるっていうのもあるけど。」


ホント半分、ウソ半分。

会長に会いたいというのは本音だけど、風紀が暇というのはまったくのでたらめだ。午前中はこうやって会長の手伝いが出来るけど、午後には風紀室に戻らなくてはいけいない。


あの転校生がくるまでは比較的暇な時も多かったのに、あの子が来てから風紀に暇はない。

冬至なんてそろそろ、あの転校生を闇討ちでもするんじゃないかと見てるこっちが心配になる。



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あきゅろす。
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