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「なんで、......なり。」
「え?」
もごもごと小さい会長の声を拾って首をかしげる。
もう一度、の意味をこめて会長を見つめるも、彼はもう口を開いてはくれないらしい。
肩を落とす俺へ代わりに届いたのは、3回のドアノック。
会長の返事を受けて開かれたドアに、さらに深く肩を落としそうになる。
「失礼......、します。理巧、なんでこいつがここいにいるんだよ? てめぇもなんで生徒会室なんかにいるんだよ。あ?」
「愛先輩、こんにちは。」
「こんにちは、じゃねぇよ! 質問に答えろ! 質問にっ!」
指をびしっと指して俺を睨んでくる愛先輩は、今日もその童顔を歪めてご立腹らしい。
本当に俺は嫌われてるなぁ、と思うけど俺自身どうしてこんなに嫌われているのか分からない。
この関係が中学の中頃で始まったというのは覚えているけれど。
「おい、愛。うるせぇ。」
「うるせぇとはなんだ! うるせぇとはっ。俺は理巧にも怒ってんだけど!」
「はあぁ。」
「ため息つくな!」
めんどくさそうに頭に手をやる会長に愛先輩の声がとぶ。一目みて仲がいいと分かる二人に嫌な気持ちが募っていく。
これまでは全く感じなかった、身体が重くなるような感情。それと同時に、
あぁ、いいなぁ。
純粋にそう思った。
「あっ、今日はハンバーグだぞ。俺の手作り。」
「いらねぇっていってんだろうが。」
「だってお前、もってこないと食わねぇじゃん! 身体に悪いだろうが!」
「そうだよ。ちゃんと食べなよ。身体にもよくないよ。」
「パクってんじゃねぇよ!」
「美味しそうですね。」
愛先輩が机に置いたパックのなか、久しぶりにみたハンバーグは本当に美味しそうだ。愛先輩が料理ができるとは思わなかった。
顔だけみれば美少女だけど、口を開いたら............、あれだし。
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