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「かいちょ、」
「冷蔵庫。コーヒーとれ。」
「............え?」
「冷蔵庫。コーヒーはいってんだろ。それ。」
え、れいぞうこ、こーひー。
......あぁ、冷蔵庫に入ってるコーヒーね。
「あぁ、はいはい。」
すぐ右にある冷蔵庫をあけて、コーヒーをさがす。ここの購買にしか売ってないコーヒー。
触ると、ひんやり冷たい。
「はい。」
「......さんきゅ。」
「あ、うん。」
なにこれ、なんか恥ずかしい。
さんきゅ、だって。恥ずかしい。
たぶん、赤くなっている。顔を見られたくなくて、下を向く。視線だけで会長を伺うと、
わー。
席に戻ろうと後ろを向く会長の顔は見えない。だけど、綺麗な黒髪から覗いた耳が、若干赤く見えたのは幻か、現実か。
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