4 「かいちょ、」 「冷蔵庫。コーヒーとれ。」 「............え?」 「冷蔵庫。コーヒーはいってんだろ。それ。」 え、れいぞうこ、こーひー。 ......あぁ、冷蔵庫に入ってるコーヒーね。 「あぁ、はいはい。」 すぐ右にある冷蔵庫をあけて、コーヒーをさがす。ここの購買にしか売ってないコーヒー。 触ると、ひんやり冷たい。 「はい。」 「......さんきゅ。」 「あ、うん。」 なにこれ、なんか恥ずかしい。 さんきゅ、だって。恥ずかしい。 たぶん、赤くなっている。顔を見られたくなくて、下を向く。視線だけで会長を伺うと、 わー。 席に戻ろうと後ろを向く会長の顔は見えない。だけど、綺麗な黒髪から覗いた耳が、若干赤く見えたのは幻か、現実か。 [*前へ][次へ#] [戻る] |