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よっこいしょ、と席をたって給湯場に向かう。部屋の作りは風紀室と同じだなー、と辺りを見回して目当ての瓶をさがす。

背中に視線を感じるけど、気にせず近くのカップを引き寄せる。

そのなかにコーヒーの粉を入れて、ポットのお湯を注ぐ。


「あ、会長! カップ使っていい?」

「もう使ってんだろうが。」

「!? っ!」


驚いて後ずさる。

すぐ後ろから聞こえた声に、身体が自然と後ろを向いた。


「会長......。」


俺とほぼ同じ背の会長と視線が交わる。真っ直ぐで漆黒の瞳が俺を見ている。

それは心なしか、ゆらゆらと揺れているように見える。


「桜庭。」

「な、なに。」


なんだ、どうした。緊張する。
なんで緊張なんてするのか、理由がわからない。



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