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ラブファンブル

「結城さんって……相当セックスが好きなんですね」

目の前にいる男は、誰なんだ?
俺の知ってる野球部の後輩は、『セックス』なんて口に出すような奴じゃなかった。

「そうじゃなくて…」

「じゃあなんで今日あんな所にいたんですか?誰かとセックスしたかったからでしょ」

「あ……あれは、友達に騙されたんだ!!」

「……じゃあなんでここにいるんですか?俺とセックスしたいからでしょ」

それは…
自分でもわからなくなってきた。
俺はどうして二条の部屋に来たんだ。

「答えないってことは……やっぱり、俺としたかったからですよね?」

部屋の入り口で立ちすくむ俺の肩に、二条が腕を置いてきた。

「正直になった方が良いですよ。自分の為にも…」

二条の顔が近づいてくる。唇がほんの一瞬触れたくらいで二条は顔を離す。
再び唇を近づけたのは…
俺の方だった。

「んっ……はぁっ…」

「二条…」

二条が服の上から俺の硬くなったモノをさすってきた。それに応えるように、俺は二条のシャツの中に手を滑り込ませて二条の乳首を摘まむ。

「んんっ……あん…」

二条は恥ずかしげもなく甘い声をあげている。
どちらからともなくベッドに移動して、そのまま倒れこんだ。
俺は無意識的に二条の服を脱がせ始める。

「結城さん…」

目の前に、二条の綺麗な裸体。
そして、二条の潤んだ瞳。俺を呼ぶ声。

ここは…
あの日の、部室なのか?

「……結城さん?ここで寸止めするなんて……策士なんですね?」

二条が俺の手をとって自分の乳首に導く。軽く摘まむだけで、二条は切ない声をあげる。

「ん……もっと、触って…」

「二条…」

動きを止めた俺を不審に思ったのか、二条が上体を起こした。

「……なんですか?結城さん…」

「もういいよ……あの時のこと、恨んでるんだろ?」

二条が初めてうろたえた気がした。
俺の手を離して俯いたかと思うと、小さく呟いた。

「……そりゃ、恨んでます…」

「だったら、こんなのやっぱり…」

「だって結城さん、あれから僕に一度も会いに来てくれなかったから」

「……会いに……?」

自分の耳を疑った。
会いに行くなんて……だって、二条はあの時のことを…

……まさか、違うのか?

「二条……お前、あの日…」

二条は顔を上げると、しっかり俺の目を見つめた。

「あの時は……怖かったけど、嫌じゃなかったですよ?僕はずっと、結城さんが…」

俺の目を見つめる二条は、今日出会った二条と明らかに別人だった。
俺が恋に落ちた、3年前の二条がいた。

「二条……本当に、良いのか?」

「……ずっと、待ってました…」

二条…
3年間お前は、俺を待ってたのか?
冷たい仮面をかぶって、ずっと…

「二条……あの時は…」

「謝らないでください…」

今度こそ二条を押し倒して、二条の首すじにキスをした。

「あ、ん……結城さんっ…」

「二条……嫌じゃないんだな?」

二条が笑って頷く。
久々に見た、二条の笑顔だった。

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あきゅろす。
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