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もうちょっとメイクビリーブ
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「中谷、すげぇじゃん!」

「さすがです!チカラさん!」

開いた紙を改めてじっと見つめた。
持ってるか持ってないか、で言うと持ってない部類の俺がめったにない(らしい)大凶を引くなんて...

「いい夢見られるといいなぁ」

黒坂先輩の言葉に思わず頬が緩む。
神社を出て解散し、いつも通り東郷先輩と帰る途中、「先輩は何でしたか?」と聞いてみた。

「......大吉」

「えっ!すごい!でも今回に限っては残念でしたね!俺の方が大吉です」

少し胸を張って言うと東郷先輩は呆れたような顔で「お前が嬉しいならいいけどよ...」と呟く。相変わらず興味は無いみたいだ。

「東郷先輩は未来見てみたくないんですか?」

「自分のだろ?いつか見るものを、なんで今見る必要があるんだよ」

......東郷先輩はこういう時、割と正論を言う。単純に好奇心とかが無いんだろうけど...

「どんな職業に就いてるかとか、気にならないですか?」

「別に」

「まぁ東郷先輩、将来の事とか考えてなさそうですもんね…」

「……お前は、なんでそこまで気になるんだ?未来なんてもん」

それは……できれば俺の口から言わせないでほしい。そうでなくてもいつも、身に染みてわかってるのに。

「だって俺は……先輩方や夏樹みたいに綺麗な顔もしてないし頭も良くないし、特技とか取り柄とかないし…」

ちゃんとした人生歩めてるか不安なんです。と言うと東郷先輩は興味なさげに「そうか?」とだけ答えた。

「それより中谷、明日土曜だし......うち、来るだろ?」

「え〜......そういう気持ちじゃないような...」

「その理由、次は言わねぇって言ったよな」

東郷先輩が鬼の形相で俺を睨む。
そうだ、連続5回くらいこの理由で断ってるんだった…

「わかりましたよ、行きますよ…」

東郷先輩みたいな人は、将来どんな人生を歩むんだろう。なんだかんだ美人の奥さんを手に入れて、不自由ない暮らしをするんだろうな…

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