ラブスクイズ
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「結城さん、待ってください」
ホームへ向かう階段を上りかけた結城さんを呼び止めた。
「どうした?二条」
「結城さんに伝えたいことがあったんです」
結城さんは笑って続きを促した。
それじゃ意味ないんだけど。
「……ここは人が通るから…」
俺は結城さんを駅のトイレに引き入れた。
動揺して固まってるだけの結城さんを個室に押し込むと、俺も中に入って鍵をかける。
狭い個室の中で、向かい合う形になった。
「二条?伝えたいことって…」
言い終わらないうちに結城さんの体に抱きついた。
それでも呆然としたままの結城さんの唇を奪うと、ようやく結城さんが顔を赤くした。
「に、二条……どうしたんだよ?」
「だって結城さんが何もしてくれないから!俺は結城さんと会ったらキスしたいし、抱き合ったりエッチしたいのに!」
「二条、声がでかい…」
「せっかく二人きりだっていうのになんなんですか?結城さん、もしかして不能なんですか?」
「二条!そういうことを言うなって…」
「……もっと、行動で示してください…」
そこまで言うと、ようやく結城さんの腕が俺の背中に回された。
「二条……ごめんな?好きだよ」
「……本当に?」
結城さんの唇が触れる。今度はちゃんとした、本物のキスだ。
「んん……結城さんっ…」
「……二条…」
電車のアナウンスがうるさい。
大好きな結城さんが俺の名前を呼んでるんだから、もっと静かにしてくれたらいいのに。
すると結城さんが、ゆっくりと俺の股間を撫で始めた。
「んっ…」
拒絶の声と勘違いしたのか結城さんが一度手を離す。
俺はその手を掴んで、直接触るように導いた。
「二条…」
「人が来ても……やめちゃ、イヤですよ?」
結城さんは恥ずかしそうに頷くと、キスしながら手でしごいてくれた。
気持ち良い…
「二条……気持ち良いか?」
「……そんなこと訊くなんて……んっ……変態です。最低っ…」
「ご、ごめんな…」
気持ち良いなんて本当のこと、言えない。
でももうすぐイっちゃいそう…
「結城さん……イく…」
結城さんは優しく笑って頷いた。
「声、出しても良い?」
「良いよ」
「んっ……あぁっ……結城、さん……あ、あぁん、イくっ!」
結城さんに手だけでイかされちゃった…
妙に恥ずかしくて、気まずい。
「二条…」
「な、なんですか?」
「喜んでもらえて、良かった」
……結城さん。俺の結城さん。
やっぱり貴方が本当に好き。
貴方のその優しい笑顔が好き。
必要なのは、これだけ。
認めて。
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