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神様の言う通り!
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「いつ戻ってきたの?」

「昨日のお昼にね」

「スーツ姿、サマになってきたね!!」

「ありがと」

ところで……さっきからごそごそ何してるのかな。
ハル兄ちゃんがクローゼットを漁る姿を見るのは何年ぶりだろう。まさかとは思うけど…

「さて、久しぶりに見たいなー」

やっぱり…
ハル兄ちゃんの手には、花柄のワンピース。
しかも今の俺にぴったりのサイズだ。

「……ハル兄ちゃん、俺もう高校生だよ?子供じゃないんだよー」

「もう女の子の服着るの嫌?」

「……えっと」

まぁ、実は今でもやってるんだけど…
ハル兄ちゃんには絶対言えないな。
自主的にやってるなんて知ったら調子に乗りそう…

「お願い、絶対可愛いから!!」

確かに、そのワンピースはすごく可愛い。俺だって着てみたい。
でも…

「ほら、久しぶりに女の子の服着てみたら結構ハマるかもよ?ね?」

「……わ、かったよぅ…」

久しぶりじゃないけど!!



「ハル兄ちゃーん、着たよ?」

おずおずと部屋に入ると、ハル兄ちゃんの目がぱぁっと輝いた。

「ぴったりじゃん!!それに、神楽まだイケるな」

「どこに行けるの?」

「すっげー……可愛い。昔の神楽も可愛かったけど、今の神楽はなんか、色っぽい」

熱弁するハル兄ちゃんには悪いけど、言ってる意味がよくわからない。
とりあえずハル兄ちゃんのベッドに腰掛けると、ハル兄ちゃんが隣に座った。

「神楽、恋人とかできた?」

「んーんー」

「まだ綺麗な体のままなんだ?」

「うーん……?まぁ…」

「キスは?もう済んだ?」

……うん?そうだなぁ。先週、高階にされちゃったし…
あぁ、思い出したらモヤモヤしてきた。

「……そっか、初めてのキスは奪われちゃったか」

「えっ?あ、うん。一応」

頻りに頷くとハル兄ちゃんが急に顔を近付けてきた。
「何?」と言いながら顔を後ろに引くと、ハル兄ちゃんがにっこり笑う。

「神楽がそいつに見せた顔、俺も見たいなと思って。いや、それ以上に良い顔が見たい」

「……ん?」

逃げられない距離までハル兄ちゃんの顔が近づいてきた。
あれ、先週にもあったな。こんな感じ…

唇が触れる寸前に、ハル兄ちゃんが何か言った気がした。

「ん……ふ、ぅっ…」

声を漏らすと、ハル兄ちゃんが少し唇を離してくれた。
高階とした時は呼吸が苦しくて逃げちゃったけど、こうされると逃げづらい…

どうしよう。俺、ハル兄ちゃんと大人なキスしてる。どうしようどうしよう…

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あきゅろす。
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