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Star Struxxx.
レイ。
「玲ー!!おかえり!!」

「……ただいま」

今まで無意識にやってたやり取りが、最近なんだか恥ずかしい。

きっと、大嫌いだった奴をとうとう恋人として意識しはじめてしまったからだ。

「お風呂あっためておいたよ!!」

そう言ってヘラヘラ笑ってるこの男は、湯島湊。俺、綾瀬玲の……一応、恋人である。
初めは「一回付き合ってやったらおとなしくなるだろ」という軽い気持ちだったけど、最近湊にストーカーがついて一悶着あったせいで、とうとう「全く好きじゃないわけではない」的なことを言ってしまった。

このままだとマズい。前に湊にも言ったけど、やっぱり意識するにつれ生活しづらく…

「……あ」

そんなことを考えながら脱衣場で服を脱いでいると、湊が急にドアを開けてきた。

「れっ、玲……ごめん!!」

「別に、いいけど…」

湊はバカみたいにボーっとして俺の体を見つめている。なんか、食いもん我慢してる動物みたいだ。
コイツの男の体に欲情するシステムはいまだにわからん。

「なんだよ?用ないなら閉めろ」

「あっ、あります!!」

湊は我に返って洗面台の歯ブラシを手に取った。

「……寝んのか?」

「う、うん」

ここ最近、湊は毎晩言ってた「一緒に寝よー」を言わなくなった。
俺としてはありがたいけど、全く言われないとなんだか気味が悪い。

「じゃあ玲、おやすみっ」

「おー」

「好きだよっ!!」

「……だからなんだよ」

そして、相変わらずこういうのは言い返す気になれない。
つーかなんでいちいち言うんだ?言っても言わなくても、変わんねぇだろうに。





「おはよーございまーす」

その翌日。
今日も講義を終えて居酒屋のバイトに向かった。同年代のバイトが忙しそうに食事を運んでいる。

手を洗って準備していると、後輩が落ち込んだ声で話しかけてきた。

「玲さーんなんとかしてくださいよ」

「どうした?」

「知尋がミスばっかして全然使えないんですよ」

「え……知尋が?」

乃木坂知尋は最近入ったバイトの一人で、唯一の男子高校生だ。
業務はみんなで一通り教えて、よく働いてたハズだけど…

「体調悪いとかじゃねぇの?」

「本人は違うって言ってますけど……やっぱそうなんすかね?」

言ってるそばから、厨房から皿の割れる音が聞こえてきた。
どうやら犯人は当の知尋らしい。
慌てて謝ってる長身の男が見えた。

「知尋、大丈夫か?」

知尋の元に駆け寄ると、知尋はなんとも情けない顔で「すみません…」と謝ってきた。

「調子悪いんだって?なんかあったのか?」

二人で破片を片付けながら、何の気なしに尋ねる。
すると知尋は泣きそうな顔になった。
この情けなさ、湊を思い出す……コイツも背高いし。

「玲さん……俺…」

「……なんだよ?」

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あきゅろす。
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