[携帯モード] [URL送信]

君も詐欺師。

「お前……まだ出るのか?」

「すみませ……んっ…」

手の平が月島の精液だらけになった。
未だに少しずつ出続けている。

「こんなに気持ちいいと思わなくて……いつもはこんなんじゃ…」

「あー、まぁ別にいいけど」

涙目になって謝る月島を宥めながらティッシュで拭いていると、月島が俺を見つめて言う。

「千川先輩……また、会ってくもらえませんか?」

「え…」

「僕、こういうことならいくらでもしますから!!だから…」

“いくらでも”という言葉に本能が反応した。また、tsuki.の喘ぎ声が聴けるのか…

「……お前、いつも今日くらいの時間に来てんのか?」

月島が不思議そうに頷く。
「明日もここに来い」と命じると、月島がまた目を潤ませた。

「付き合うとかは置いといて……お前の声は好きだし」

「あ、ありがとうございます!!充分嬉しいです!!」

月島は本当に心から嬉しそうな顔をしている。
「その代わり……あんま言うなよ。俺がその、声優ファンやってるとか…」
そう言うと月島はキョトンとして「どうしてですか?」なんてのたまった。

「どうしてって……そんなこと言ったらバカにされるし、イメージと違うとかなんとか言われて面倒なんだよ」

「……僕は、素敵なギャップだと思いますけど…」

……そんな考えの奴もいんのか?
いや、大多数は嫌な顔するだろ。第一、コイツは自分が声優やってるからそういう考えなんだろうし。

「とにかく、黙ってろよ」

「も、もちろんです!!大丈夫です!!僕がtsuki.だってことも、秘密にしてくださいね」

「あぁ……つーかお前、なんで声優なんか…」

言いかけたところでチャイムが鳴った。時計を見ると今のは一限の始鈴らしい。

「……サボるか?授業」

「せ、千川先輩がそうするなら…」

「じゃあどっか行くか」

「いいんですか?」

頷くのも面倒だったから、俺は階段を下り始めた。

「千川先輩……待ってください、本当にいいんですかー?」

だって、積もる話がたくさんあるだろ。お前はなんで声優やってるんだとか、俺がtsuki.を好きになったキッカケとか…

明日から、何をして楽しもうかとか。

お前とは、話すことがたくさんありそうだ。

[*前へ]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!