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君も詐欺師。

「千川先輩、おはようございますっ」

俺を絶望から救うすべは、もうどこにもない。
昨日コイツを無視していれば、俺は何も知らないバカなtsuki.信者でいられたんだ。騙されてても、そっちの方が幸せだった…

「……何」

「昨日のこと信じてもらえないと思って……台本持ってきました!!今日の分のアカリです!!」

月島が「ミュージックアイドルアカリ」と書かれた台本を俺に差し出した。廊下を行き交う生徒たちが俺を見てる。
それに気づいて、俺はとっさに人のいない場所を考えた。

「ちょっと、こっち来い」

呑気な顔した月島を連れて、屋上に続く階段に来た。ここなら誰も通らないはずだ。

「千川先輩……?」

「迷惑なんだよ。お前がtsuki.だなんて知りたくなかったし……もう興味ない」
 
「そんな……僕、本当に千川先輩のことが…」

「だから、俺はお前もtsuki.も…」

「なんでもします!!……千川先輩のためなら…」

なんなんだよ。そんなこと言われても困るだけだ。
別に月島にやってほしいことなんて、何も…

「……tsuki.の声で」

「えっ?」

「喘いでみろって言ったら、やんの?」

人間は思いもよらないことに出くわすと、思いもよらないことを言い出すものだ。

「……も、もちろんです!!」

バカか、俺は。

「じゃあ……やれよ、今」

そう言うと、月島は嬉しそうに頷いた。
そして、首を傾げる。

「ここで、ですか?」

「嫌ならいい。悪かったな」

「やっ!!やります!!」

台本を持ってきた時はあんなにヘラヘラしてた月島は、急に顔を真っ赤にした。結局恥ずかしいらしい。

「……あの、アダルトものは演じたことがないので…」

「知ってる」

「演技で出せないんです……実際に触りながらでも、いいですか?」

月島を見ると、両手をモゾモゾさせている。不快な気分もしたが、「好きにしろ」と返してしまった。

「ありがとうございます…」

月島が制服の上から自分の胯間をさすり出した。視線は俺をまっすぐ見つめている。
次第に呼吸が荒くなってきた。

「……ぁ、んっ…」

tsuki.だ。少し声が高くなっただけで完全にtsuki.になる。不思議な奴だな…

「はぁ……あ、あんっ……せ、んぱ…」

「俺の名前、知ってるか?」

「し、志央…」

俺は無言で頷いた。
月島の声はどんどんハッキリしてくる。とうとう下着から硬くなったモノを出してしごきだした。

「あぁん……あっ、志央……気持ちいい……志央ぉ…」

tsuki.が、俺の名前を呼びながら喘いでる。
事実は“後輩の男が目の前でオナニーしてる”だけなのに、俺の脳はなんて都合がいいんだろうか。

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