NoVeL
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私はもう一度自分に力をこめて、
顔を上げて笑った。
「じゃあ龍、私行くね。」
「は?何で。学校同じなのに?」
龍は怪訝そうに言って私から目をそらさない。
「・・・今日、舞と待ち合わせしてるんだっ。」
目を見られればみられるほど私は龍の顔が見れなくて、目だけをわずかにそらしてく。
「おぃ、みゅー・・・」
「じゃあまたねっ、龍。」
龍の言葉をさえぎって、
私は走り出した。
龍に呼び止められる前に、速く、速く。
―そうして学校の近くまで走り続けると、
ようやく私は足の速度を緩めた。
「はぁ、はぁ・・・疲れたぁ・・・。」
なんて独り言を呟いていると。
「あれっ美優?今日は早いんだね?」
後ろから声をかけられ、振り向くとそこには私の友達、舞が不思議そうに笑っていた。
「舞っおはよーっ」
「おはよ。てかどしたの?そんな息切らして。」
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