夢小説【イナイレ】 やるべきこと(豪炎寺24? ) 「どうしたの?急に呼び出したりして。」 ある日の夜、私は彼氏である修也に呼び出された。 彼とは中学時代からの付き合いだ。 今の関係になったのは高校からだけれど。 「……大事な話があるんだ。」 彼は何か思い詰めるような、そんな表情をしていた。 どうしたんだろう……悩み事でもあるのだろうか。 サッカーのプロ選手として活躍し、日本代表にも選ばれて……順風満帆なはずなんだけど。 「大事な話?」 「あぁ。」 修也はさっきから私の方を見てくれていない。 そんなに私に言いにくいことなんだろうか。 「どうしたの?何かあった?」 「……。」 なんだか修也、辛そうに見える。 「修也……大丈夫?」 彼はゆっくりと頷き、私に向き直った。 「……理緒、俺、日本代表を辞退することにしたんだ。」 「え?」 驚いている私に、彼は話を続ける。 「プロも辞める……。やらないといけないことが出来た。」 「どういうこと?辞めるって何?やらないといけないことって?……あんなにサッカー好きだったのに。どこか怪我したわけでもないでしょう?」 頭が回らない。 今何が起こっているんだろう。 彼は何を言っているの? 「……すまないが詳しくは言えない。」 「……そう。」 少し心が痛む。 「理緒ともしばらく会えなくなる……いつ戻って来れるかわからない。その間、俺には待っていてくれとは言えない。」 彼は一息つく。 「……理緒が別れたいと言うなら……。」 彼は最後までは言わなかった。 彼のにぎりしめている手から決意が伝わってくる。 随分悩んだんだろう。 代表にしてもプロにしても……今私に言ってることも。 「修也は私と別れたいの?やろうとしていることの重荷になる?」 「そんなことあるわけないだろ!!……理緒が今まで支えだった……。これからも……。」 彼は間髪をいれずにそう言た。 私はふっと微笑む。 「私も同じ。別れたくないし、修也への想いがいつも私が辛いとき支えてくれる……きっとこれからもね。」 私は修也に近すぎ、彼のにぎりしめられた手を取った。 彼は驚いたように私を見る。 「修也が何をこれからしようとしているか、私にはわからないけど……大きな決断をしたってことは、きっととても大事なことなんでしょ。」 私は優しく、でも真っ直ぐに彼の目を見て続ける。 「修也は修也がしたいようにすればいいよ。……私は私のやることをして待つから。」 「理緒……。」 「ま、出来るだけはやくしてほしいけどね。」 今までの空気を振り払うように私は明るい声で言う。 すると、 「すまない。」 優しく抱きしめられた。 「言葉が違う。」 「……ありがとう。」 「どういたしまして。」 次こうして彼の温もりを感じられるんだろうか……。 彼がフィフスセクターに入り、聖帝となったことを私が知るのは、しばらく後のお話。 [*前へ] [戻る] |