ん …小説 準利 ――よし、今日こそ聞いてやる! 俺は気合いを入れて準サンに近付いた。 Love・Love・Love!B 今日の練習を終えて制服に着替えている準サンに話し掛ける。 「ねぇ準サン、」 「なんだよ。」 「今日準サン家に行って良い?」 「泊まってくのか?」 「うーん、出来れば。」 準サンは微妙な顔をする。…やっぱり嫌なのかな、俺が家に来るのは。 「……別に良いんだけどさ。今日オレん家、俺以外は旅行に行ってて家族が誰もいないんだけど…。」 「?、別に夕飯はコンビニで買い食いとかでも良いよ?」 「や、夕飯の心配じゃなくて…。 ……まぁ三か月たったしそろそろ…いいよな…」 最後のほうは完全に独り言になっていて良く聞こえなかった。 「じゃあ俺母さんに電話しとくね。遅くなるって。」 「おう。」 その日の帰り道はいつも以上に会話が無かった。 いや、準サンはいつも通りだった。 俺が話しかけなかったんだ。 俺が話さないだけで会話なんて無くなってしまう。 やっぱり俺が話してないと俺達は会話が続かないんだね。 …準サンから話し掛けてくれる事は無いんだね。 ――――――――――― 「お前先風呂入れよ。」 「え、良いよなんか悪いし…」 「別に気にしなくていいから。」 じゃあお言葉に甘えて…。 お風呂につかりながら準サンの事を考える。 準サン今日もかっこよかったなぁ… って、違う違う! ――今日は準サンに聞かなくちゃいけないんだ。 俺の事をどう思ってるのか…。 それからしばらくお風呂につかって、のぼせる前にあがった。 しっかり体を拭いた後、準サンの部屋に行く。 入れ替わりに準サンがお風呂に行った。 パジャマは準サンのものを貸してもらったけど……、 準サンのパジャマって、俺にはちょっと短いんだよね。 でもズボンは思っていたよりも長いみたい。 ……なんか俺が胴長短足みたいだけど、違うからね。準サンが足長いだけだからねっ。 俺は普通だよ? うーん、準サンのパジャマ……凄くブカブカだなぁ…。 長さは足りないけど、腰や腕の辺りは布が余っている。 肩の部分にいたってはずり落ちそうなぐらいだ。 こんなに差があるなんて…。やっぱり高校二年生ともなると筋肉が結構つくんだろうな。運動部だし。 俺なんてまだまだガリガリで細いから、練習でよく吹っ飛ばされちゃうんだよね。 俺は捕手だからあたられて当然なんだけど、ちょっと悔しい。 やっぱりもっと筋肉つけないと。 それにしても、準サン遅いな。 お風呂にそんな時間かける人じゃ無かったと思うんだけどな。 ガチャリ… 「利央、お待たせ。」 ……噂(?)をすれば何とやら、準サンがお風呂から帰ってきた。 [*前へ][次へ#] |