黒バス
影3
トイレから帰った先の光景に疑問符を飛ばした。
今、俺はものすごく困っている。
「……テツヤがいない。」
そう。俺がトイレに行く時は確かにそこのイスに座り甘ったるいシェイクを飲んでいたはずの彼が、忽然と姿を消した。
しかも俺の席にはデカいエナメルが堂々と置かれていた。
「………誰んだよ、これ。」
トイレへの道は一つだけ。そこですれ違わなかったということは…
「(外…とか?)」
んなわけねぇだろ、と思いつつもフッと窓に目をやると
「……いるし。(しかもなんでバスケやってんの。)」
すぐ近くのコートでバスケをする2つの影。何故、アイツらは荷物をほったらかしてバスケなんぞをやっている。
「………はぁ。しょーがねぇ。」
俺はトレーを片し、自分のを合わせた3人分の荷物を抱え、アイツらのやりあうコートへと向かった。
だから、俺 怪 我 人 なんだって。
「(くそ、覚えてろよ。テツヤと知らんだれか…っ。)」
「僕は影だ。」
コートに着いた俺の耳に飛び込んできたのはテツヤの声。
対峙するデカい男は確か…
「(火神、大我…だっけか。)」
燃えるような真っ赤な髪を闇に沈め、その眼はテツヤをしっかりと見つめていた。
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