男女【千人斬り】開始@

 評判が広まると聞いて気分を良くした乙姫が腰に手を添えて、ふんぞり立ち上がる。
「そのメリットは悪くないわね……わかった『千人斬り』やってやろうじゃないの……で、どの地域で勝負するの? 地域を限定した方が競い、やすいんじゃない」

「そうっスね……『日本国』でどうっスか」
 少し大きな岩の上に腰かけた、キラーエースが見下ろしながら言った。
「セックスした人数のカウントは、どうするぜよ?」
 キラーエースが疑問を漏らしたその時……『いきなりドア』が出現して、開くとドアの内側に『どこでもホール』の縁に触手を乗せて、佇む軍医タコの姿があった。
「通りすがりのタコですが……悪いとは思いましたが、話しは全部聞かせてもらいました」

 キラーエースが、オレンジ色のタコ型宇宙人を見て少し驚いた口調で言った。
「なぜ? アテの世界にいたタコ型宇宙人がココに? いや、似てはいるが雰囲気が少し違うぜよ別タコか……ふっ、認めたくないものぜよ。裸族人類がゆえの見間違いは」

 黒我美が軽く、軍医タコに突っ込みを入れる。
「どうしてドアの陰から? 盗み聞きしていたっスか?」
「名探偵の真似をした、単なるカッコ付けです……『千人斬り』のカウントをするのにぴったりの、人工衛星のGPS技術を応用して開発した新システムがあります……始動実験をするのに、ちょうどいい機会だと思いまして」
「どんなシステムぜよ?」
セックスとかオナニーをしている人間を宇宙空間から観測して、バードウオッチングのようにカウント記録するシステムです。室内や地下でセックスやオナニーをしていてもサーモグラフィとドーパミン量で見逃しません」
「素股やパイズリの場合もカウントされるかぜよ?」

「挿入のみです……今回は始動実験なので『千人斬り』をピンポイントで数えるように設定します……ア●ルセックスは数に含まれないようにします」
 岩の上から飛び降りてきたキラーエースが、岩に拳を打ちつけ岩に穴を開けて気合いを入れる。
「がぜんやる気が出てきたぜよ……プルプルプルーッぜよ」
 キラーエースが天真爛漫に背中から光の蝶の羽を出して飛び立つと、黒我美と白我美は一旦、乙姫と一緒に『献体チ●コ用意のために竜宮城へと急いでもどっていった。


 軍医タコは、キラーエースが開けた岩の穴が、白我美がいなくなった途端に元の状態にもどり穴が塞がったのを見て。
「ふむっ……なるほど」と、顎先を触手で押さえ何かに気づいた素振りを見せた。

 竜宮城にもどった黒我美は地下の格納庫に待機している、犬型の巨大輸送メカに『献体チ●コ男性の入ったカプセルを積み込む作業をして、ドラム缶の上に座った白我美は作業を眺めている。
 巨大輸送メカのお尻の穴へとベルトコンベアーに乗せられ、積み込まれている献体のリストを確認しながら、黒我美が言った。
「えーと、今回調整が終了して使える『献体チ●コはと……」

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 の八体だった。黒我美は、ベルトコンベア―に乗せられて流れてきたカプセルに入れられ、人工冬眠させられている。
 少年の肉体には不似合いな巨根を眺めた。
「乙姫さまは『千人斬り』で女性とエッチする時……好きな献体に意識を移して、自分の体として使うコトができるっス」
 黒我美がパチッと指を鳴らすと、八体の献体男性の腰に一本だけメモリーのようなモノが差し込まれたW型バックルの、淫乱平成ライダーベルトが出現した。
「ボクの能力をお貸しするっス」
 そう言って黒我美は乙姫にも、W型の変身ベルトとメモリー……それと顔写真とチ●コ写真が並んだ『献体男性リスト』を手渡す。
「献体に意識を移した乙姫さまの肉体は、無防備になるから注意するっス」
「わかっているわよ……出発する前に、新しく加わった。この肉体の能力を見て使えるか、使えないか判断してくれない?」
「いいっスよ……どんな能力なんすか」「ターザンみたいな姿になる能力」
 そう言って乙姫は、裸体の腰にヒョウ柄の毛皮を巻いた、女ターザンの姿に変わった。



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