並列世界からの来訪者B 裸の切り札『キラーエース』登場

「見つけたぜよ」
 白我美をかばうような形で白我美の前に出た、黒我美がエースの方に向けた尻をピシャピシャ叩いて見せた。
 首をかしげるエース。
「なんの真似ぜよ? 人に尻を向けて?」
「興味ないっスか……やっぱり、姉のターンエーと未来からやって来た『裸族エース』とは、並列世界の別個体っスね」
「なにをゴチャゴチャ、ワケのわからないことを……アテには姉なんていないぜよ、アテは一人っ子ぜよ」
 エースの恥毛がV字型に変形した。
「どこかにアテの偽物が居るのなら、アテは『キラーエース』とでも、この世界では異命を名乗るぜよ」

 乙姫に黒我美が問う。
「乙姫さまどうして、竜宮城に裸族キラーエースを連れて来たっスか」
「会話したら意気投合してな……水着後が黒い我美を追ってきたと言ったから、面白そうなので連れて来た」
「そんな理由で連れてこないで欲しいっス」

 キラーエースは、どこからか取り出した盾〔シールド〕を持ち、背中から引き抜いたビームサーベルの剣先を黒我美の方に向ける。
「わかったら、さっさと白我美をこちらに渡すぜよ……アテが興味あるのは、そいつだけぜよ」
「イヤっす、同じ顔の我美が、いたぶられるのは見たくないっス」
 我美は小さなボトル容器〔ヤク●ト容器くらいの大きさの〕を二個取り出すと両手でシャカシャカと振る。
 黒我美の両側から化学式のようなモノが、キラーエースの両側を流れ。
 黒我美の腰に変身ーベルトが現れる。
「オーガズムの法則は決まったっス……変身」

 振っていた小型ボトルをベルトにセットして、ベルトに付いている釣りのリールのようなモノを回すと、黒我美を囲むようにプラモデルの部品が付いたライナーのようなモノが現れた。
 黒我美の裸体を前後から挟み込むようにパーツが装着され、装着されたパーツは裸体に溶け込むように消える。
 変身ベルトから声が聞こえた。
ローション……ディルドー〔陰茎型性具〕……バストマッチ!!
 黒我美の乳房がプクッと少し膨らんで、ヌルヌルになった。

「バストマッチっスね。さあっ、かかってくるっス」
 キラーエースは、ビームサーベルの剣先で黒我美の水着白抜きされた乳房を突く。
 サーベルのビームは乳房ローションの滑りに弾かれて、グニャと曲がり竜宮城の壁に穴を開けた。

 黒我美が言った。「白我美の運命はボクが変えるっス……思った通り、キラーエースの武器には殺傷力は無いっスね。着衣人類の衣服のみを切り裂き、裸女には軽い衝撃から快感を与える程度のパワーっス」
「調子に乗るなよ……貴様ごときがぁ……ぜよ」

 睨み合っている二人に乙姫が、壁に空いたビームサーベルの穴を指差して言った。
「裸族人類同士の喧嘩なら外でやれ! 部屋が壊れる!」
 黒我美がキラーエースに挑発口調で言った。
「表に出るっス……絶頂させて屈服させてやるっス」
「望むところぜよ」
 黒我美は白我美を連れて外に出て、キラーエースも外へと出た。
 部屋に残った乙姫は肩をすくめて、タメ息を漏らす。
「まったく、裸族人類同士の争いは破壊力があるんだから……少しは考えてもらいたいものよね」
 部屋のベットに裸で寝転がって目を閉じる乙姫。
 この時、ビームサーベルで開いた壁の穴が自然に閉じていたコトに、乙姫は気づいていなかった。

 白我美を連れて竜宮城から離れた空き地まで来た黒我美が、白我美に言った。
「さあ、キラーエースが遅れて到着する前に、白我美も平成淫乱ライダーの特化能力ベルトを腰に巻くっス」
「そんなのできないっス……自分の裸体にある能力が、わからないっス」
「ヒトデ側裸族人類なのに『平成淫乱ライダー』の力を使えないっスか?」
 別の淫乱ライダーの変身ベルトを腰に巻いた黒我美が、腕組みをして思案する。
(白我美が平成淫乱ライダーの特化能力裸族人類だと、見せればキラーエースも黙って帰ると思ったっスけど……いったい白我美の能力ってなんすか?)
 思案を続ける黒我美は、いつの間にか隣に立っていた等身の風車小屋を拳で軽くこずく。

 風車小屋からキラーエースの声が聞こえ、風車小屋から出てきた女性の腕が叩かれた場所を押さえる、風車の中央にキラーエースの顔と、風車小屋の下から素足が出て立ち上がった。
「ぶったれたぜよ、親にもぶたれたコトないぜよ……この並列世界のヒトデの裸族人類は化け物か……ぜよ。どうしてバレたぜよ」



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