インプラントタウン@

【名も無き平原の街道沿いの町】〔インプラントタウン〕……軍医タコ一行は、まるで西部劇に出てくるような平原にある、これもまた西部劇に出てきそうな町にやってきた。
 腰に銃を下げたガンマンでも現れそうな町を見て、軍医タコが言った。
「この町は映画の撮影用に作られた、テーマパークを兼ねた観光町ですね」
 町では他地域と同じように、サル知能の人間たちが集団で群れていた。
 我美が言った。
「物陰から本当に裸のガンマンとか、出てきそうっスね」
 その時、建物の屋根から肌色の人影が飛び降りてきた。
 地面に裸で着地した人物が言った。
「変態忍者……見参! ニンニン」



 西部の町に現れたのは変態女忍者だった──軍医タコが言った。
「絶頂波の影響で裸女因子が、覚醒してしまった女忍びですね」
 変態忍者がタメ息混じりに言った。
「そうなんですよ……あたし、この町のコンビニで働いていた普通のバイトだったんです、いきなり勤務中に裸になって……こんな姿に、どうしたら元にもどりますか?」
「別にもどらなくてもいいでしょう……素敵な姿ですよ」
 その時、女忍者が現れた通りの反対側から別の裸女が歩いて現れた。
「あたしは変態海賊王になる!!」
 それは裸の女海賊だった。



 現れた裸の女海賊が、泣きそうな顔で言った。
「なんとかしてください……あたし、この町で裸忍者さんが勤めていたのとは別系列のコンビニ店員です……突然、こんな姿になっちゃって。どうしたらいいんでしょう」
「別にどうもしませんよ、裸でレジに立って応対すれば、男性客は大喜びです」
 裸忍者と裸海賊が軍医タコに、自分の身に起こっている悩みを打ち明けてきた。
「実はあたしたち、四六時中……誰かに肉体状況を監視されていて、送信させられている感じなんです……そのぅ、特にエッチなコトに関して」
「どんな風にですか?」
「オナニーをしている最中とか終了した時に『今、オナニーをしています……今週何回目のオナニーです』とか『オナニー終わりました……マ●コが特に気持ち良かったです』とか、誰かに報告でもしているように無意識に口に出しているんです……原因わかりますか?」
 腕組みをして少し考えた軍医タコは、我美のお腹の袋に触手を差し込み、眼鏡型ルーペのようなモノを取り出して言った。
「少し、あなた方の内部をエックス線で透視して調べてみましょう……『人体にインプラントされた物体を探す眼鏡』……ピカピカピカ」
 軍医タコは眼鏡をかけて、裸忍者と裸海賊の裸体を足の先から頭のてっぺんまで見て言った。
「思った通り、肉体情報送信の物体が、体の随所に埋め込まれていますね……エッチな情報のみ送信するインプラント物で、埋め込んであっても数年で肉体に吸収されて消えてしまいますから問題ないでしょう……そればかりか、健康管理もしてくれていて病巣や悪質なウイルス&細菌も退治してくれています」
 裸海賊が自分の胸を触りながら言った。
「そうだったんですか、そういえば風邪も引かなくなったみたいな」
 軍医タコがさらに質問する。
「この町で何か困ったコトは発生していませんか?」
 裸忍者が尻を撫で回しながら答える。
「数日前に、町の広場に突然、壁のようなモノが現れて……その壁を使って、あたしたちに何かをさせようとしている誰かの意思は感じるのですが……それがいったい何なのか?」
「なるほど、その壁がある場所に案内してください」
 軍医タコたちは、裸忍者と裸海賊に案内されて広場にあるという壁の所にやって来た。


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