人工ふたなり島@

【名も無き中洲の島】〔人工ふたなり島〕……軍医タコ一行は大河に掛かる大橋を渡り、中洲にある島へとやって来た。
 中洲の島は今まで見てきたどの地域のサル人間よりも、サル知能レベルが低かった。
 サル知能に退化した人間たちは、縄文時代のような縦穴式住居に住み。
 川の魚を手掴みで捕まえて食べたり、落ちている木の実を拾って食べたり、草や昆虫を食べていた。
 火を使うコトを知らないレベルのサル人間たちを見かねた、軍医タコは百均で買ったライターを彼らに与えて言った。
「さあ、これで火を使って食べ物を焼いて食べなさい」
 使い方がわからない、サル知能に退化した人間たちは最初、ライターの着火した火に驚きライターを放り投げて物陰に隠れる……まるで火を恐れる獣だった。
「うほっ!? うほうほっ」
 地面に放り投げられたライターを拾って呟く軍医タコ。
「火は使い方さえ誤らなければ、便利なモノなのですよ……しかたがない、焚き火をして教えてあげましょう」
 枯れ枝を集めてライターで火をつけると、すぐに燃え上がる。
 サル知能人間たちは、恐る恐る焚き火に近づいてくると、土下座をして軍医タコを崇めはじめた。
「おやおや、原始宗教の神に崇められてしまったようですね……神格化はこうして行われていくのですね」
 軍医タコは林の向こう側に小さく見える、工場の屋根に目を向けた。
 どうやら、この中洲は、あの工場の敷地の一部らしい。
「あの工場に行ってみましょうか……誰かいるかも知れません」

 工場へ続く道を通っていくと、道の両側に『サル侵入禁止』の看板と電流が流れる有刺鉄線の柵が見えた。
「農作物を荒らす野生動物や、サル知能人間の侵入を阻止する電流柵ですか?」
 その時、モデルガンを連射する音が聞こえBB弾がパラパラと降ってきた。
 柵の前で停車したタコさん号の前に、サバイバルキャップを被り、サバイバルブーツを履き、なぜか乳房や腹部に迷彩メイクをした裸の女が、マシンガンのモデルガンを手に林の中から出てきた。
 裸の女の股間には本来女性に付いていないはずの、男性性器が生えていて歩くたびにブラブラ揺れている。
 チ●コを揺らす女が言った。
「サルかと思ったらタコだった……もしかして、工場見学の方ですか?」
「まぁ、そんなところです……あなたは?」
「この先の工場で作られた、人工タンパク質の人造人間です……この近辺で毎日パトロールして、サルをモデルガンで威嚇して敷地内に入ってこないように追い払っています。連中はソーラーパネルを勝手に剥がして持ち去るので」
「そうでしたか、工場まで案内してくれませんか。この辺りの地理には不馴れなので」
「お安いご用です」

 サバイバルゲームのチ●コ女は、タコさん号に一緒に乗り込んだ。
 響子が横に座ったサバイバル女の股間を指差して訊ねる。
「あのぅ……それは?」
チ●コキン●マですが
「それは見ればわかります……どうしてそんなモノが体に?」
「話せば少し長くなりますが、工場で働いていた従業員が、いきなりサル並みの知能に低下してしまったあの日……無人の工場で製造AIの誤作動が最初でした
 従業員がいなくなってしまった工場で、AIが作りはじめたのは工場で働く人間だった。
 化学工場内にあった薬品を組み合わせて人工タンパク質や遺伝子を作り、製造ラインで女の人造人間を作った。
「その時、何を勘違いしたのかAIは、女に男性性器を付けてしまったのです……チ●コを持った女の人造人間は十八体作られましたけれど、その全員に男性性器がオプションで付けられています……ちなみに、あたしは最後に作られた十八号です」
 しばらくすると、タコさん号は工場に到着した。



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