【カッパ湖】と【ユーマの森】@ カッパ娘

 次の目的地に向かう、ライオン型列車の客車で軍医タコが破華姉ぇに訊ねた。
「次の目的地はどこですか? そろそろ最終目的地を教えていただけませんか」 股間に生やしたピンク色の結晶を擦りながら、破華姉ぇが答える。
「そうだな……聞いてビビるといけないと思って、ヌードナイト採掘地の最終目的地は隠してきたが、ここらで言ってもいいだろう……怯えて帰りたい者は去れ。次の目的地は【カッパ湖】と【ユーマの森】だ……そこを過ぎた最終目的地は【淫らな天国&淫らな地獄】だ」
 地獄と聞いてコンドーム小僧が怯える。
「ボクたち地獄に行くために、死ぬんですか?」
「心配するな、アナザー・エデンの創造主がディスク大地の裏側に暇潰しで作った場所だから、生きていても行ける……それに、天国や地獄は主観的な問題だから。淫らな行為が大好きな人間には天国。淫らな行為を嫌悪する人間には地獄に思える」

 やがて列車は車庫のような中継駅に到達して停止した。中継駅には貨物列車やタンク列車も集まっていた。
 ライオン型列車が、燃料と水を補給している間……破華姉ぇは、中継駅から見える森を指差して言った。
「見えるか、森の方から主線路とは別にトロッコ列車の線路が平行して中継駅に伸びているだろう、あの線路を通って採掘された『ヌードナイト』が運ばれてくる」

 燃料の補給が終わったライオン型列車は、中継駅を出発して次の駅、【カッパ湖】に到着した。
 カッパ湖では、メスのカッパが大繁殖していて、湖上の遊覧船や貸しボートが、我が物顔のカッパに占拠されてカッパ天国になっていた。

 湖畔にある土産物屋の店主が爆竹を鳴らしたり、棒を振り回してカッパを追い払っている光景を見た。
「ごらぁ! また店の中に入ってきやがって! 出ていけカッパども!」
 キューキュー鳴きながら逃げていくカッパ。軍医タコが店主に話しかける。
「大変ですね、ご主人も」
「あぁ、カッパは今は希少保護動物に指定されているから、害獣として殺処分もできないからな……カッパの肉も臭くて食べられたもんじゃない……こらっ! 生ゴミを漁って散らかすな! カッパども! 前は湖にも、こんなにカッパは多くなかったが」
「増えた原因はなんですか?」
「なんでも、カッパは妖女や童女分類だと増えないが、未確認生物〔UMA〕の遊女扱いになると爆発的に繁殖する習性があるらしい……ここまで完全に確認されていると、もう未確認生物じゃないな」
 その時、軍医タコたちの後方から呟く声が聞こえてきた。
「まさか、メスのカッパ二匹を遊女に分類登録したら……湖でこんなに異常増殖するなんて、想定外ですぜ」
 振り返るとフードを頭から深く被り、黒衣の股間から、口をパクパクさせているツチノコを露出させた男が立っていた。
 軍医タコが黒衣の人物に向かっていった。
「『第二回オマン湖耐久レース』で、お会いしましたね」
「覚えていてくれたのか、光栄だぜぇ」
 黒衣の人物が黒衣を脱ぎ捨てる……股間から三匹のツチノコが生えた、裸の男が現れた。
 ツチノコが口をパクパクさせながら喋る。
「オレは未確認生物の裸女グループ『遊女』の裸男、『ツチノコ男』以後よろしく」
「もしかして、ヌードナイトの採掘権と輸送権を持っている裸女グループの方ですか?」
 チ●コのツチノコを動かしながら、ツチノコ男が言った。
「その通りだぜ、あんたはオレが探しているオレンジ色のタコとは、タコ違いのようだな……あの、闇ブローカーと絡んでいたタコだったら毒牙で噛んでやるんだが」
「そうですか……ところで、この増えすぎたカッパには何か苦手なモノはないんですか?」
「増えたカッパの弱点か……カッパたちは口々に『八本槍チ●コが怖いって言っているが。オレにはなんのコトだかさっぱり、わからねぇ」



[前戯へ][後戯へ]

29/38ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!