【ブライド・タウン】D ラスト
DVDはモノクロで、さまざまな映像媒体にダビングを続けて残してきた映像だった。
モノクロの動画に縦のスジが走り、時代背景も古い。DVDの内容は若い新婚夫婦が初夜を迎える……と、いう内容だった。
古民家の部屋に敷かれた寝具の中にいる新婚夫婦……女はオサゲ髪で男は丸刈りで。男は腕立て伏せをしているような格好で仰向けになった女に正常位して。
掛け布団の縁から見える二人の肩が露出しているコトで、二人が裸であることを演出していた。
男が《本当にいいんだな》と、確認すると女は恥じらいながらうなずき。
女に抱きついた男が掛け布団が掛けられた寝具の中で腰を動かしている場面が、最後まで延々と続くだけの動画だった。
観賞が終わって軍医タコが呟く、
「古いタイプのエッチ動画でしたね……当時はこの程度のエロでも、観た人は興奮したでしょうが」 我美も退屈そうに感想を言う。
「ぜんぜん、興奮しなかったっス」
ウズウズもつまらなそうに言った。
「もっと過激なモノを期待して、損したじゃん」
花嫁十八号が言った。
「わかっただろう、こんなモノを毎回初夜に見せられる苦痛が……」
腕組みをして考えていた軍医タコが、ある提案を出してきた。
「一日、このエロいのDVDをわたしに預けてくれませんか……今の感覚に合うように、デジタル処理しますから」と……。
一日後……デジタル処理の終わったDVDを持って、宿屋の花嫁と花婿のいる部屋へと軍医タコはやってきた。
パッケージは彩色加工され、タイトルも変えられていた。
軍医タコが言った。
「登場人物の、>新婚夫婦の二人は変えてありませんが……シュチュエーションとか行為やセリフや行動は変化させてあります」
DVDの映像が流される、古民家の随所に昨日観た時には無かった家電製品があった、カラー処理されたオサゲ髪の新妻が昨日と同じように、男の《本当にいいんだな》の言葉に寝具の中で恥じらいうなづく……だが、ここからの展開が昨日の動画とは変わっていた。
丸刈りの夫がオサゲ髪の妻の掛け布団を勢い良くめくると、V字開脚した新妻が淫らな笑みを浮かべながら自分の無修正性器を指で押し開いて言った。
《ここ……コノ濡れた穴にチ●コを挿れて射精すれば、女は妊娠するんだよ……旦那さま、あたしを妊娠させてぇ》
純朴な新妻は、淫婦に変わっていた。
丸刈りの夫は掛け布団で隠すコトもなく、結合箇所を見せつけるようにV字開脚した妻と性器結合して腰を動かす……ヌチュヌチュヌチョという淫音と激しい喘ぎ声が加えられていた。
《あッあッあッ……旦那さまぁ、そこは穴が違います。間違ってお尻の穴にチ●コが入っています……あッあッあぁん》
軍医タコが手を加えたDVDについて説明する。
「セリフ、行動、行為、シュチエーションは観るたびに変化するようにしました。千を越えるパターンが組み込まれているので、初夜で観るたびに新鮮な刺激が得られます……おや? どうしました、お二人とも股間を押さえて?」
興奮した花嫁十八号と花婿一号は、無意識にオナニーをはじめてしまい……果てていた。
軍医タコがデジタル処置で再加工したDVDは、その後……観れば観るほど麻薬のようにハマり、淫らに変わっていく『超・エロいのDVD』としてアナザー・エデンに広まった。
【ブライド・タウン】おわり
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