第二次アナザー・エデン遠征B〔結晶港〕

 アナザー・エデン【結晶港】の大衆食堂……厨房の中で裸の若い女主人が、手刀を結晶で包んだ手刀包丁で、まな板に乗った魚を捌きながら軍医タコに言った。
「久しぶりやねぇ、下の世界のタコさん……また、アナザー・エデンに何か用事かねぇ」
「えぇ、ちょっとした問題が発生しまして……また、破華姉ぇにガイドを頼みたいのですが、彼女は今どこに」
「破華姉ぇだったら、休漁期で暇だから……防波堤で趣味の釣りしとるよ。釣った魚をスマホ撮影して、デジタル魚拓を作るのが破華姉ぇの趣味なんよ。ふんむっ!」
 女主人が力を込めてエイリアンみたいな頭部をした魚の頭を胴体から切り離すと、ブシュッと紫色の体液が飛び散り、不気味な首なし魚の胴体が勢いよく天井まで跳ねて床に落ちて暴れる……悪夢の光景だった。
 それを見た乙姫と響子は、蒼白の顔で口元を押さえ店の外で……豪快にリバースした。
 三十分後……大衆食堂のテーブルに置かれた鍋の、火が通った『エイリアン鍋』を食する軍医タコとウズウズの姿があった。
 我美は裸族人類で年に一回しか食べないので、鍋の具材を眺めているだけだった。
 得体の知れない魚介の刺身が盛られた大皿を持ってきた、女主人が言った。
「『エイリアン魚』からは、良いダシがでるんよ」
 縦に割られた、エイリアン魚の頭の中から肉とも内臓とも判別できないモノを小鉢に取り分けている軍医タコに、女主人が質問する。
「あの二人は鍋食べんの?」
 女主人が見ているのは、店の隅に置かれたゲロ壺に向かって、しゃがんだ格好で豪快にマーライオン化している響子と乙姫の姿だった。
「気分が悪いとかで……エイリアン鍋、おいしいですね」
 女主人は微笑みながら、裸で背を向けてしゃがんでいる乙姫の横顔と体を凝視して首をかしげて呟いた。
やっぱり他人の空似かねぇ……よう似とるけんど、あんなに目付きが悪い娘ではなかったはずじゃけん。しかし、尻の形はそっくりやね

 食事の終えた軍医タコ一行が、女主人から教えられた港の防波堤に行くと、裸の破華姉ぇが釣りをしていた。軍医タコが親しげに声をかける。
「いやぁ、破華姉ぇ久しぶり」
「おや、タコさん……その様子だと、また何かアナザー・エデンに探しに?」
「ええっ、実はかくかく、しかじか」
「そうか……ヌードナイトを、あの鉱石は特殊だからな」



 破華姉ぇは手の中に、青い結晶を作り出すがすぐに砕けて消えた。
「結晶人間でも作るのは不可能で、アナザー・エデンでも未開の深部に行かないと手に入らない……ガイド役引き受けた、おっと魚が釣り針に掛かった。ちょっと待っていて釣り上げるから」
 破華姉ぇは、しなる釣竿を持つと「どうりゃぁぁぁ!」と、一気にリールを巻いて防波堤の上に巨大な怪魚を釣り上げた。
 軽自動車ほどの大きさがある怪魚の腹部には女の裸体が、めり込むように付いていて怪魚の頭部には三つの目が付いていた。
 破華姉ぇは、怪魚を結晶の拳で「おら、おら、おら、おら、おら!!」と殴りつけて気絶させると、腹を仰向けにして頭部と腕と足が魚体にめり込んだ形でピクッピクッしている裸の女体を撫で回す。
なかなかいい形の女体だ、感度も良さそうだ……さてと、ポーズ整えてデジタル魚拓撮影するか」
 破華姉ぇは、怪魚の腹にある女体の秘部に指を差し込んでクチュクチュと、いじくり回す。
 やがて、ピクッピクッ動いて反応していた女体に玉の汗が浮かび、魚の腹から腰を浮かせるように女体の背が離れ背中で綺麗なアーチを描く。
 破華姉ぇは、背中を弓なりに反らせた女体をスマホで撮影して画像を、魚拓アプリでモノクロ加工して保存した。
「コレクションが増えた……さあ、海に還れ!」
 破華姉ぇは、怪魚の尻尾をつかむと、外海に向かって女体怪魚を放り投げた……キャッチ・アンド・リリース。

 破華姉ぇが言った。
「おまたせ、それじゃあ行こうか……あれっ?」
 破華姉ぇねぇは、防波堤の上でこちらに背を向けてしゃがみ、拾った棒で何やら生物をつついて遊んでいる裸の乙姫を見て首をかしげる。
「似ている……でも雰囲気は、あんなに性悪じゃなかったし胸も大きい……尻の形はそっくりなんだけれど? 他人の空似?
 そう言うと破華姉ぇは、炭酸飲料缶のプルトップを開けてストローを差し込むと、缶の上にM字脚でしゃがみながら膣穴にストローの先を押さえ導き、女性性器で炭酸飲料を膣圧で吸い上げて飲んだ。



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あきゅろす。
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