クライマックス@ 夜の廃校舎

 また一歩、断崖に佇む〔たたずむ〕軍医タコに近づきながら教頭が言った。
「わたしをどうするつもりだ」
「別にどうもしません、わたしは真相が知りたいだけですから」
 そう言って軍医タコは教頭に背を向けた。
 教頭は隠し持っていたゴルフクラブで軍医タコを襲う。横殴りにスイングしたゴルフクラブで教頭は軍医タコを断崖から海へと叩き落とした。
「タコの分際で身の程知らずが……タコは海に還れ!!」
 その時、教頭の首に熱盛が振るムチの先が絡まった。
「うッ!?」
「見たぞ、タコさんを海に落とした瞬間を!!」
 黒い布に目の部分だけに穴を開けたゾロマスクで正体を隠して茂みの中に隠れていた熱盛は、グイグイとムチで教頭を締め上げる。
 茂みの中からは、破華姉ぇ、尻目、天狗裸女も現れた。
 熱盛は男性性器を揺らしながら、教頭に問う。
「一年前の4月29日に、幽路という名の女子生徒を最後に抱いたのは貴様だな……答えろ」
「そ、そうだ……わたしだ、わたしが抱いた……苦しい」
「ウソをつけ、幽路を抱いたのは貴様だろう! オレは子供の時に幼馴染みの幽路に『大きくなったら幽路のお婿さんになって、幽路を守るヒーローになる』と約束したんだ! おまえだなぁ、幽路と最後に寝た男は!」
「だから、さっきから……わたしだと言っているだろう……ごほっ」
 教頭の顔から血の気が消えはじめた時……いきなり、教頭の頭上斜め四十五度の位置に開いた『どこでもホール』から、体をボールのように丸めた軍医タコが飛んできた。
 軍医タコは教頭の頭部に激突する……ボフッ。
「きゅぅ!」意識を失う教頭。
「ただいまぁ、熱盛くんが、これ以上手を汚す必要はありませんよ」
 落ち着いた熱盛は、教頭の首からムチの先を引っ張り外す。
「教頭の制裁は、自分自身の手で……タコ型宇宙人の星に伝わる、外道に対する処罰を行いましょう」
 そう言うと軍医タコは気絶した教頭の衣服を脱がして裸にすると、勃起させたぺニスに特殊な接着剤を塗り、オナニーをしているように握らせた。
「タマの方にも特殊な接着剤を塗ってと……残っている手で、握りつぶすように強くキン●マを握らせて……と、完成しました。変態外道教頭への制裁羞恥オブジェが」
 最後に教頭の胸に油性ペンで『この者……変態の外道教頭、ご自由に卑猥なラクガキをして辱しめてください』と書いた。
「本来はタコ道を外れたタコ型宇宙人が、板に磔にされて顔に道行くタコから卑猥なラクガキをされるという処罰なのですが……アレンジで、しごいたチ●コが熱くならないと剥がれない瞬間接着剤も加えてみました……さあ、廃校舎に行きましょう。クライマックスです、今回は廃校舎の催眠術師が変な気を起こす前に特別に『どこでもホール』を使った移動です」


 数分後……軍医タコたちは、断崖から廃校舎前へと移動した。廃校舎の二階隅教室の暗幕カーテンが開けられていて中の明かりが見えていた。
 閉鎖されている玄関前で軍医タコが、尻目に言った。
「尻目さん、尻花火で秋さんを呼び出してください」
 四肢立ちになった尻目は、尻を夜空に向けると「よっ!」と、二発の尻花火を打ち上げた。
 すぐに、秋がガニ股で夜空から落下してきた。
「呼んだか」
「秋さんの特化能力で、廃校舎の閉鎖扉を破壊してください……例の十三日の金曜日的なヤツで」
「特化能力で扉の板を破壊するだけだからな、自分は夜の校舎には入りたくない」
「結構です、わたしたちが屋上に上がったのを確認できたら。テントの中からクローンカプセルを屋上に運んできてください。月明かりがある屋上なら、それほど怖くはないでしょう」
 秋がどこからか取り出した、アイスホッケーのマスクを被りながら言った。
「まぁ、月明かりの屋上くらいなら大丈夫かな」
 アイスホッケーのマスクを被り、手にしたチェンソーを始動させた裸の女秋は、唸るチェンソーを振り回して扉を閉鎖していた板を破壊した。
 ジェ○ソン化した秋を入り口に残して、軍医タコたちは暗い廃校舎をライトで照らしながら入って行った。



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