【真日本国の黒歴史裸女群地層】B第二膜【Aの淫界】完結

 地面に『どこでも白線棒』で白線を引いて軍医タコが行った。
「並列世界の亀裂に関しては、わたしに心当たりがあります……並列世界行きを希望する人は、白線の外側に立ってください」
 軍医タコが『どこでもホール』を白線の外側に開くとホールに向かって呼びかける。
「隊長、ちょっとこちらを覗いてください」
 頭に三本毛が生えた隊長タコが、ヌッと穴から頭を出す。
「なんだ軍医? 面白いモノでも見せてくれるのか?」
 軍医タコはすかさず、触手で隊長タコの三本毛をつかむ。
「いたたたっ!? いきなり何をする軍医!?」
「これが空間に亀裂を生じさせた原因です……たぶん。えいっ!」
 ブチッ! 軍医タコは三本の毛を毛根から一気に引き抜く。
「痛っ!! 軍医なんの恨みがあって、せっかく生えた毛を?」

 毛が抜かれた途端に空間に亀裂が走り、並列世界の宇宙と繋がった。
 白線の外側に居たキラーエースと、キラーエースの悪魔的細胞に感染した埋没裸女たちが、次々と並列世界の宇宙空間へ吸い込まれていく。
 吸い込まれていく者たちの中には冗談と度胸試しで白線の外側にいた、興味本意の着衣人類観光客数名も含まれていた。
 白我美とデンチュウの足先が地面から離れる、黒我美が伸ばした手で白我美の手を握って言った。
「キラーエースに負けるんじゃないっス……覚醒した白我美は無敵モードっス。自分に自信を持つっス……ここからは白我美のステージっス」
「はい、師匠……いろいろとありがとうございましたっス。特化能力に目覚めた、パルフェ〔仏語・完璧〕な白我美できあがりっス」

 黒我美と白我美の指先が少しづつ離れ……ついに完全に握っていた二人の指が離れ、微笑む白我美の姿が亀裂宇宙に消えると後を追うようにデンチュウも
「さらばでチュウ」と言って吸い込まれ去っていった。
 白線の外側にいた主な人物たちが吸い込まれ去り……亀裂は元にもどる……かと思われたが、まったく閉じる気配が無く、そればかりか亀裂は広がった。

 岩山のロープ柵に触手を絡めて、吸引力に耐えている軍医タコが。
「想定外でした……このままだと『どこでもホール』の空間と『並列宇宙』の空間が繋がって世界が崩壊してしまいます」と、言った。
 並列宇宙の吸引力に隊長タコの頭が穴から、外に引っ張りだされる。
「んおわわわわぅぅ!?」
 引っ張られて伸びている隊長タコを見て、軍医タコはある決断をする。
「並列宇宙とこの世界を守るため、隊長!! 生け贄……もとい、名誉の犠牲になってください……ポチッとな」

 頭が完全に穴の外に出て、触手でどこかに絡みついて耐えていた隊長タコの『どこでもホール』が急速に収縮する。
「ぐぎッ、軍医てめぇ! んわぉっ!」
 隊長タコの頭から直接生えている触手の束が、頭から十センチほどの位置からブチッとホールの縁で切断された。
 隊長タコの頭が並列宇宙の方向へ回転しながら飛んでいく……絶叫とタコスミと軍医タコを罵る言葉を吐きながら、隊長タコの頭が空間亀裂の向こう側に吸い込まれると……並列宇宙の裂け目は閉じた。 静寂が訪れた岩山で軍医タコが呟く。
「裸族人類と裸女は過酷な宇宙環境でも耐えられますが……着衣人類は……気合いで全身の穴を閉じて、根性で呼吸を止めて耐えれば……なんとかなるでしょう、極限状態の中で裸女に進化する着衣人類も現れるかも知れませんね」


 後日談……元ミイラ女の古代裸女は発掘された仲間の古代裸女たちと一緒に、岩山地域を中心とした新国家を造り。
 首都を『恐都』と命名して定めた。

 もちろん新国家の誕生の影には軍医タコが『真日本国』政府に対して裏から。
「彼女たち古代裸女の新国家建国を認めないと、タコ側裸族人類カップルの。蘭花と銀牙を真日本国内に放ち、随所で公開セックスを行わせます……真日本国が大混乱になりますよぅ」のエロ圧力協力があったコトは言うまでも無かった。

 後に『真日本国』は『シン日本国』と改名して。シン日本国初の初代全裸女性総理〔裸女〕が誕生した。


第二膜【Aの淫界】完結



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