【真日本国の黒歴史裸女群地層】A

 その頃……軍医タコとミイラ女は『真日本国』の岩山に来ていた。
 着衣人類の観光客で賑わう名所化している岩山の岩肌を、ミイラ女は感慨深そうな表情で撫でる。
「この質感……この中に多くの裸女が埋もれている……一年戦争は、裸女同士の存続を賭けた戦いだった……負けた方が絶滅するという理不尽なルールの」
 軍医タコが一年戦争勃発の発端をミイラ女に訊ねるより早く、巨大白我美の拳に押されて飛んできた連続絶頂中のキラーエースが、愛液をダラダラと垂れ流しながら岩山へと叩きつけられた。
 岩肌が崩れ、叩きつけられ陥没した岩山にめり込んだキラーエースは恍惚とした表情をした。
「あふぅぅぅぅ……ッ」
 崩れた岩肌の下から、忘れ去られた古代の裸女たちが現れる。



 それを見たミイラ女は感激のあまり泣き出す。
「思い出した……わたしは、恐女グループの中で戦いの最中に意識を失い絶滅を逃れ、生き延びた最後の恐女」
 ミイラ女は包帯をほどいて全裸になる。
「黒歴史の一年戦争で激突したのは、古代裸女の恐女と、アニロボ裸女のとあるグループ群だった」
 軍医タコは岩肌が崩れた岩山を見上げる、追突の衝撃で窪んだクレーターにメリ込んでいるキラーエースのニヤけ顔の裸体から『悪魔的ガン●ム細胞』が流れ出ていた。


 十数分後……『真日本国』の黒歴史裸女埋没名所岩山に、軍医タコ、包帯をほどいて裸になった古代のミイラ女、キラーエース、黒我美、白我美とデンチュウ。それと、眠りから目覚め復活した黒歴史の裸女たち。携帯のスマホレンズをキラーエースや我美たちの裸体に向けて、写真撮影をしている着衣人類観光客たちがいた。〔軍医タコは光学的な処理で、光りを屈折させて自分だけはカメラに写らないように細工している〕

 黒我美がキラーエースに訊ねる。
「まだ、白我美を抹殺する気持ちがあるっスか?」
「何を言っているぜよ……アテと特化能力が被っていないと判明した今は、その必要は無くなったぜよ……それに」
 キラーエースは、自分の後方に整列している古代裸女たちを見る。
「こんなにアテの下僕たち……もとい、仲間が増えて幸せぜよ……ジークジオ●、ジークティタ●ンズ、ジークア●シズ、ジークエゥ●ゴ、ジークネオ・ジオ●」
 キラーエースが続けて喋る。
「でも不思議ぜよ、アテの悪魔的ガンダ●細胞に感染しなかった、埋没裸女たちもいるぜよ?」
 元ミイラ女が言った。
「それは、わたしのグループに属する古代生物裸女だからだ」
 元ミイラ女の後方には四つ這いの裸女や、地面を腹でノタノタ蠢き動いている裸女や、虫のように手足を広げて歩いている裸女がいた。
 見た目は普通の裸の女なので、なんの古代生物裸女だと判別が難しい。

 仰向けで手足をピンッと伸ばした四肢歩きの格好で、お尻側を元ミイラ女の方に向けて、マ●コをパクパクさせながら歩いてきた奇妙な裸女が言った。
「あら、久しぶり……元気だった? アノマロカリス裸女」
「ハルキゲニア裸女……あなたの歩き方上下逆の間違い。もう一つ言わせてもらうけれど前後も逆……お尻は頭部じゃないから」
「本当? いやだな、裸女仲間の誰も間違いを指摘してくれないから……あたし、ずっとこのマ●コパクパクさせながら、窮屈な歩き方していた」

 ワイワイの女子クラス会の雰囲気の中……白我美はデンチュウの姿が見えないコトに気づいた。
「デンチュウどこにいるっス」
「ココでチュウ」
 着衣人類観光客のスカートの中に、しゃがんだデンチュウが顔を覗かせる。
「スカートの中でチュウ……なかなかなか」

 キラーエースが言った。
「それじゃあ、そろそろ自分の並列世界へ、アテは帰るぜよ……騒がして悪かったぜよ」
 そう言うとキラーエースは一人……光波蝶の羽を背中から広げ、飛び去って行った。
 空の彼方へキラーエースの姿が消え……しばらくすると、目から滝涙を流しながらキラーエースがもどってきた。
 目からナイヤガラの瀑布のような涙を流しながら、キラーエースが助けを求める。
「帰り方がわからんぜよ、どうやって元の宇宙に帰ったらいいぜよ!」


☆印のセリフを京都弁にしたかったのですが、似非京都弁になりそうで、それは京都の人に失礼なので……京都の人は脳内で『京都弁』に変換してお読みください。
〔その他の地域の方が、ご当地方言に脳内変換して読まれても構いません〕


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