地球触侵F

 触手に指導者がパラサイトされていない、一部の国では触手に対する攻撃も行われたが。
 近代の破壊兵器を無力化できる触手と……電子機器を狂わせて使用不可能にできる触手の力の前には人間の開発した破壊兵器は完全に無力だった。
 弾道ミサイルの発射台が次々と押し寄せる触手に埋もれ、起爆装置が破壊されミサイルが倒され。

 海では、空母や戦艦が超巨大触手に襲われ船首や船尾から呑み込まれ。
 陸では戦車や装甲車が、触手群に包み込まれ活動不能にさせられ。
 空では戦闘機が、電磁触手が発する高電磁波で計器が狂わされ墜落させられた。
 触手の巣に向かって空から雨のように降り注いだミサイル群も、衝撃を吸収する触手体にぶつかり不発になった。

 熱核エネルギー弾も触手の力でクリアーなエネルギーへと一瞬で変換され。
 人類が開発を続けてきた兵器が、次々と使い物にならなくなると頃合いを見て。
 世界各国の映像に円盤内にいる凍騎の姿が、電波をジャックされて発信された。

 画面の中で凍騎が世界に向けて言った。
《これ以上のムダな抵抗をするな、地球の先進国の文明は終わった……これからは、人類の歴史は原始に還り。触手と歩む新たな歴史を刻むコトになる》

 凍騎が指差した円盤内には、球体のカプセルの中にM字開脚姿で浮かぶ全裸の『触手女』……ライナの姿があった。
《ライナを人類の原母として崇め、触手を崇拝しろ……無抵抗で、触手の快楽に身を委ねれば。極上の悦楽世界が待っている……これより、地球のエネルギー配給と、インターネット及び通信を永久に遮断する……人類はもう一度、原始の狩猟文明からやり直せ!!》
 凍騎の姿が世界中のモニターから消え、エネルギー供給を遮断できる触手と……電子機器を狂わせて使用不可能にできる触手触手の力で。
 地球は自然発電と蓄電以外の電力を失い、通信網も遮断された。
 文明は数ヵ月でいちじるしく衰退して地球人は、原始の生活にもどされた。


 数ヵ月後の文明が崩壊した地球……凍騎は、地上から円盤に拉致してきた。高校生くらいの男女の裸カップルと、成人した男女の裸カップルに質問した。
「おまえたちの母親は誰だ、答えろ」
 惚けた顔で立つ四人の全裸地球人が球体カプセルの中に浮かぶ、触手人間のライナを指差してハモるように言った。
「わたしたちの母親は……ライナです、わたしたちすべての人類は原母のライナから誕生しました」
 ライナがカプセルの中で、触手の幼体を膣穴からゴボッと生み落とす。
 ライナが生んだ触手を見た高校生の女子が、喜びの笑みを浮かべながら呟く。
「あぁ……また、あたしたちの、弟妹が生まれた」

 その言葉を聞いた凍騎が満足そうに、うなづく。
「洗脳は完璧のようだな」
 凍騎は地上にいる、すべての人類に洗脳を施してライナが母親だと思い込ませた。
 そして、ライナから誕生する触手は、人類の兄弟&姉妹だと人類の深層意識に植えつけた。

(ライナを母として、触手を兄弟と姉妹だと誤認識させれば……人間同士の争いは無くなるだろう、意識改革を施したライナを地球に残して地球を統治させれば『触侵』は完了だ)

 床から出てきたティティスが電子パネルを操作すると、壁一面に触侵された地上の状況が映し出される。
 ビル街に植物の蔓〔つる〕のように巻きつき、ビルを覆う触手……触手の群れの中に裸体を投じて、触手との超絶なセックス快感に溺れている男女。
 地球の文明国圏のあちらこちらで触手と人間との乱交が繰り広げられていた。

 凍騎がティティスに訊ねる。
「人類の食料事情はどうなっている?」
「狩猟惑星の時と同じように、頭部と手足が無い胴体だけの人体型に形成した、人工タンパク質を与えています」
「男性専門の赤触手と、女性専門の白触手が支配を望んだ地域はどうなっている?」
「国境の壁を作らせ、男同士の性世界……女同士の性世界を形成しつつあります」
「肛虐専門の銅色触手は? 特化した触手で個体数も少ないから地下バー程度のスペースで十分だと言っていたが」
「秘密クラブのように男女の肛虐パーティーが毎晩、行われています」
 壁に薄暗い元バーの地下室が映し出され、部屋の天井や壁や床で蠢く銅色触手の中で。
 裸の男女が触手にココア色の蕾を弄ばれていた、銅色触手が興味を示すのは後ろ穴の排泄器官のみで、男女ともココア色の蕾をグヂュグヂュと責められ続けていた。


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あきゅろす。
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