天空工業都市【マテリアル】B黄金色に輝く、ジパング娘

 銀牙と響子は、銀色肌の初老工場長に案内されて、工場敷地内にある宿舎の一室を割り当てられた……簡易二段ベットがあるだけの質素な部屋だった。

「豪華ホテルのスィートルームみたいな部屋は用意できないが体を休めることはできる、なにしろ工業都市の『マテリアル』にはロクな宿泊施設が無いから……ここで我慢してくれ」

「お気遣いなく、あたしたちはどこでも眠れますから」

 銀色の工場長が部屋から居なくなると、銀牙は二段ベットの上段に、響子は下段へと裸で寝そべった。

 横になった銀牙が言った。
「あの総工場長って人……『ジパング人』だな、以前タコ神二号さまから聞いたことがある。東方に黄金に輝くジパングという国があると……まさか、本当に人間まで輝いているとは」

「でも銀色でしたよ? それに工場で働いている人たちチラッと見ましたけれど、あたしたちと同じ肌の色していましたけれど?」

「ジパングから派遣されてきた工場長かも知れないな、ジパング人は技術力に優れていると聞くから。ジパング人は男は銀色、女は金色らしいぞ

 銀牙がそう言った時……部屋の扉をノックする音が聞こえ、パンツ一丁で響子がドアを開けるとそこには上下ツナギを着た、17・8歳でポニーテールにした頭髪と肌が金色に輝く女性が立っていた。

 黄金色の女性は、響子の姿に驚きベット上段から裸で覗いている銀牙を見て「お楽しみのところ、失礼しました!」と、言って慌ててドアを閉めた。

 響子が女性の勘違いを正すために、パンツ一丁で金色肌の女性を追う。

「違うの! あたしたち裸でも、あなたが考えているようなコトしていないから!」

「近づかないで! 若い男と女が裸で同じ部屋に居て、何も起きないはずが無いじゃないですか! なにをしていたって言うんですか! 汚らわしい、誰かぁ痴女が追ってくるぅぅぅ!」

「ち、ちがいますぅ!」

 数分後……裸の響子と銀牙の先頭に立って、工場内を案内している黄金肌ツナギ娘の姿があった。

 赤面したまま前を向いて歩く金色娘が言った。
「先ほどは失礼しました、話しには聞いていましたけれど……裸族人類に会うのは初めてだったので動揺してしまって」

 工場長の娘と名乗った、金色娘は時々チラチラと銀牙の股間から、ブラ下がっているモノに視線を向けて意識しているようだ。

「父から、滞在中のお二人の世話をするようにと『マテリアル』を案内するように言われたので」

 銀牙が裸で歩きながら、金色娘に訊ねる。
「噂では『ジパング人』は、実直で手先が器用で、礼儀正しく責任感が強くて……失敗すれば腹を斬って詫びるって聞いた……」

「しません! それよく聞かれますけれど切腹なんて、あたししませんから! ついでに神風特攻なんてのも『ジパング』でやる人いませんから!」



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