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涼宮ナツキの策略
第26話
まあいい。これ以上馬鹿なことを考えていると、言いたいことも言い損ねちまう。その前に言ってしまおう。

「ちょっと、二人に相談なんだが」

話を持ち出すと朝倉と国木田は俺のほうを向き、じっと見つめた。そんなに見んな、言いにくいだろうが。

「俺の体なんだが、どうすれば元に戻るか一緒に考えてくれないか?」

といった途端、国木田は笑い出した。何なんだ、こっちは真剣に話してるって言うのに。

「いやあ、悪い悪い。キョウがそんなことのために呼んでくれるなんて思わなかったからさ」

何だ、俺の言ってることは幼稚なことか?俺は必死に考えてるんだがな。

「そう意味じゃなくて、キョウも女の子になったらやっぱり慎重になるんだね」

どういうことだ?さっぱり分からん。

「キョウくんは涼宮さんの体を、自分のせいで傷つけたくないんだよ。いつも無茶な行動ばかりするからね」

そう言って朝倉は卵焼きを口に入れた。まあ、それも一理あるにはあるが、別にそういうわけでもない。俺はただ元の体に戻りたいだけだ。

「そんなこと言ってるけど、キョウも案外その体気に入ってるんじゃない?」

「馬鹿言うな、かなり不便なんだぞ」

茶化す国木田に猛反論して、俺は手に持ったクリームパンを勢いよくかじった。

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