涼宮ナツキの策略 第27話 あっという間にクリームパンをたいらげると、国木田は白飯をほおばってこう言った。 「キョウは元の体に戻りたいんだよね」 「当たり前だ。いつまでもこんな姿だとどうにかなっちまう」 今度は口の中の白飯を飲み込んで、 「じゃあさ、そんな体にならなければいいじゃん」 は?お前喧嘩売ってんのか?俺だって好きでこんな体になったわけじゃねーよ。 「あ、そっか」 今度は朝倉が何かを思いついたように、手のひらを打った。なんだ?お前も俺を馬鹿にしたいのか? 「そうじゃなくて、国木田くんは過去を変えれば未来が変わるって言いたいんでしょ?」 ブロッコリーの刺さったフォークを俺の前に突き出して、国木田の様子を窺った。 「正解。さすが委員長は頭の回転が速いな」 国木田はまた白飯をほおばる。どういうことだ?さっぱり分からん。 「つまり、キョウくんが過去に行って、涼宮さんが階段から落ちるのを助けてあげればいいの」 朝倉もそう言うと、フォークに刺さったブロッコリーをほおばった。何無茶なこと言ってんだ。そんなの出来るわけねーだろ。 「実はそうでもなかったりするんだよね」 国木田は俺の胸の前に箸を突き出し、言った。 「君の仲間に未来人がいるじゃないか」 未来人?長門さんは超能力者で、一樹先輩は宇宙人だ、ここでナツキは論外だから、当てはまるのは…… 「美春か」 俺はそうぼそりと呟いた。まさか、そういう答えが出てくるとは夢にまで思わなかった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |