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涼宮ナツキの退屈
第十話
ボテボテのゴロは、ショートを守る谷口先生のグラブへ入った。

と、思ったのだが!

ボールはグラブをかすめ、レフトに転がっていった。ショートのエラーでナツキは生還。真SOS団の先制の一点目が入った。3塁側ベンチは盛り上がっている。なんかスッキリしない一点目だな。

何はともあれ一点のリードだ。この点を守り抜けば勝ちが決まる。とは言っても守れる保証なんてないが……

5番の国木田はセカンドゴロ。スリーアウトチェンジ。真SOS団のナインはそれぞれの守備位置に散らばっていく。

それからはしばらくスコアボードに0以外の文字を書くことはなかった。さて、この試合何個三振を取ったかな。

とか考えていた俺は自分が甘かったことに気づく。その時が一刻一刻と迫ってきていることなんて、知るはずもない。

その問題のイニング、七回表。90分の制限のあるこの試合もこのイニングを抑えれば、俺たちの勝ちが決まる。と、思っていたんだがなあ……

七回表の攻撃は1番の母さんから始まる。だがここは勝負を避けるべきだろう。この試合ヒットを打たれているのは母さんだけだからな。

国木田が立ち上がる。どうやら国木田も同じ意見みたいだ。

国木田のミットに4球投げ込み、敬遠。1塁側のベンチからブーイングを受けるがなんてことはない。勝てばいいんだ。

2番のみくるさん、3番の長門先生は見逃しの三振。おそらく最後のバッターであろう4番の親父が打席に立つ。今日の親父は2の0。今までどおりのピッチングをすれば試合終了で俺たちの勝ちだ。

さーて。とっとと試合を決めて、家に帰りたいぜ。

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あきゅろす。
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