涼宮ナツキの憂鬱
第六十六話
「ご飯できたよー!ってあれ?お邪魔だった?」
「ち、違うよお姉ちゃん!」
端から見ると抱き合っているように見えないわけでもないのだが、みくるさんは何を勘違いしているのだろうか。
「ここにたんこぶできてたんで、さすってあげてるだけですよ」
「そ、そうだよ!」
「ふーん……でもそういうことはあたしがいない時にしてね」
「お姉ちゃん!」
まったく、みくるさんは何を勘違いしているのだろうか。美春は幼なじみですよ。
「ご飯できたからおりておいで」
「ふーい」
「え、ちょっと待ってよ」
美春は慌てて階段を降りてきた。すると、
「ふ、ふえーっ!」
俺が下の階に降りたのはあっと言う間だった。なんでかって?もちろん美春のせいだ。
「いったたた」
「まったくお前は全然変わんねえな」
「むう。キョウくんひどい」
俺は美春の下敷になっていた。美春が足を滑らせて俺の上に落ちてきたからだ。
「おー、さすが年頃の男の子。やりますね」
みくるさんは相変わらず勘違いしているようで、
「襲ってきたのは美春でしょ」
「あたし襲ってないよぉ」
「美春をよろしくお願いします」
「お姉ちゃん!」
美春はますます赤くなってみくるさんをポカポカ叩いていた。
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