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涼宮ナツキの憂鬱
第六十八話
美春は何かを考え込んだ後、「ちょっと待ってて」と言ってしばらく部屋を空けていた。

そして、みくるさんを連れて部屋の中に戻ってきた。その瞬間、俺は前に二度経験した感覚を感じた。一樹先輩が宇宙人、長門さんが超能力者と宣告された時の妙にはりつめた空気が美春の部屋に流れ込んでいた。

「どうしたんだ?真剣な顔して」

いつもにない美春とみくるさんの真剣な顔がそこにあった。

「さすがにもう隠してられないの。お姉ちゃんいいよね?」

みくるさんがコクリと頷くと、美春は語り始めた。

「実はあたしたち未来人なの」

待て待て待て。また唐突にそう言うか。俺の間ってのもあるんだ、せめて心の準備をさせてくれ。

「えーっと」

今度はみくるさんが話し始めた。

「いままで隠しててごめんなさい。でも美春ちゃんが決めたなら言います。わたしたちこの時代の人間じゃないんです。もっと未来から来ました」

えっとそうなんですか?

「あたしがこの時代に来たのは23年前、この時大きな時間振動が検出されたの。今の時間から数えて23年ね。キョンくんや涼宮さんが中学生だった頃の時代」

「待ってください!まったく分かりません。なんで親父や母さんが関係あるんですか?」

「詳しくは禁即事項です。でもキョンくんのおかげでこの世界は一時期平穏に保たれていました」

今度は美春が語り始めた。

「でも今度はこの時間から3年前。今度はハルヒさんより大きい時間振動が検出されたの。その中心にいたのが彼女、ナツキちゃんなの」

俺の頭はすでにメモリー機能を失っていた。

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