涼宮ナツキの憂鬱
第四十話
「キミの名前は何ていうの?」
「さんさい」
これはどこかのお約束なのだろうか?「名前は?」と聞かれて年を言うっていうのは……
「年の前に言うことがあるんじゃないの?」
「けんちゃん」
どうやらこの子の名前はけんちゃんというらしい。
「どこかで聞いたような……まあいいわ。何して遊ぶ?」
「おててつないで!」
けんちゃんが唐突に無茶な事を言い出した!ちょっ……マジですか?
「わかったわ」
ナツキは迷うことなくけんちゃんに手を差し出した。けんちゃんの小さな手をナツキが包むと、今度はけんちゃんが俺に手を差し出した。
「おにいちゃんも!」
やれやれ、神様これは俺に課された試練なのか?
「おにいちゃん」
そんな目で見るな。断れないだろうが!
結局けんちゃんの笑顔に負け、俺もけんちゃんのもみじを手で包むことになった。
「おててーつーないでー」
けんちゃんの陽気な歌は心が癒される。けんちゃんは手をぶんぶん揺らして元気に歩き回っていた。
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