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涼宮ナツキの憂鬱
第三十九話
山を登ると、公園全体を見渡すことができた。

「わーいい眺め」

ナツキは相変わらずはしゃぎっぱなしで、付き合わされている俺はやれやれだ。

「あんたも来なさいよ」

「へいへい」

ナツキに並んで公園を見渡す。真っ青な空にぽかんと雲が浮かび、深緑の木は風で揺れていた。

「まあ確かにいい眺めだな」

「でしょう?」

ナツキは満足げな顔をした。そして俺たちはしばらく吹き抜ける風を感じながらその風景を味わっていた。

「おにーちゃんたちなかよしさんだね」

俺とナツキは同時に振り向いた。何を言ってるんだ君は……ってあれ?

「キミ一人なの?」

小さな子どもが一人俺たちの後ろにいた。

「ママは?」

ナツキが甘声で聞く。すると少年は、

「はぐれちゃったの」

と言ってうつ向いた。

「でもボクなかないよ?つよいこだもん」

へーなかなかいい子じゃないか。

「ねえキミ、ならお兄さん達と遊ばないか?」

「おにーちゃんたちわるいひと?」

そう少年が言うもんだから俺は思わず吹き出してしまった。

「そう見えるかな?」

「ううん、みえない」

少年は笑って答えた。

「いいよなナツ……」

「じゃあ行きましょ」

一応ナツキに許可をとっておこうとした俺だったが、あっさりスルーしやがった。

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あきゅろす。
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